内容説明
子どもの手の発達を、ことば、足・身体、こころ、人間らしく生きる力などの発達との関係をふまえながら、発達段階ごとに詳述。日々の暮らしを支えるさまざまな手の働きを、「つくる手」「ふれる手」「つなぐ手」「つたえる手」「まもる手」「はげます手」の6つにまとめ、それぞれの役割と発達を考察。1964年、1978年、2005年に実施した実験結果の比較・分析をもとに、現在の子どもたちの手の様子を描き出し、その問題点を指摘。手を守るための代表的行為である「手を洗うこと」「道具を安全に使うこと」について、科学的な視点も交えて考察。手を育て、生きる力を育む保育・子育ての実際を、生き生きとした実践例を交えて紹介。
目次
今、なぜ手なのか?
子どもたちは手とともに育つ―手は発達の担い手
「生きる」を担う手―乳幼児期・生活を支えるたくさんの手が出揃うとき
乳児期の手―「つかむ手」獲得と「つたえる手」誕生のとき
幼児前期の手―「つかむ手」から「つかう手」への成長、「つなぐ手」誕生のとき
幼児後期の手―手が上手に働く・共同作業も始まり社会的手へ・さらに人間らしく
今時の子どもたちの手―とくに、道具を使う手と「ふれる手」の実験から考える
手を守る・その1(手を洗う;道具を安全に使う)
生きる力と手を育てるために―多くのひとの知恵と支援の実際
手を育てる・生きる力を育むということ―まとめに代えて
著者等紹介
丸山尚子[マルヤマショウコ]
徳島大学名誉教授(発達心理学)。岩手県大東町出身。東北大学大学院教育学研究科博士課程単位取得中退、教育学博士(東北大学、1967)。徳島大学教育学部助教授を経て、1986年より徳島大学総合科学部教授、2004年3月定年により退職。主要な研究領域は、手の発達・手の労働、「徳島の子どもたち」と母たちに関する追跡的研究、女性の生涯発達。主要な著書に『手が育つ・子どもが育つ・生活をつくる』(法政出版、平成7年度保育学文献賞受賞・日本保育学会)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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