内容説明
本書ではまず第一に、サマーヒルの教育と生活をできるだけ具体的に紹介しつつ、ニイルが90年の長い生涯において変わることなく追求した自由教育の根本目標および成果を明らかにする。そして次に、幼児のお話作りとおもちゃ作りの指導例を取り上げ、彼の業績から学んだものを私たち自身の実践の場に生かす可能性と、そのための方法について検討する。
目次
第1章 サマーヒルの生活と教育
第2章 ニイルの生涯と業績
第3章 問題児と心理療法
第4章 サマーヒル教育のめざすもの
第5章 サマーヒル教育の成果と問題点
第6章 ニイルとイギリスの進歩主義教育
第7章 ニイルの童話
第8章 聞き手の登場するお話―ニイルの教育思想の実践化の試み(1)
第9章 幼児のおもちゃ作り―ニイルの教育思想の実践化の試み(2)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まっし
2
きのくにのモデルとなったサマーヒルとその創設者であるニイルの考え方、そしてきのくにの取り組みの原点となっているデューイの考え方を紹介した本です。デューイに関して解説をしていただいているのが、非常に分かりやすく、なるほどーという感じでした。2012/11/17
まっし
1
きのくに子どもの村学園を実際に訪れ,ニイルの思想に興味をもったので読みました.サマーヒルにおける「自分自身で世界観や価値観を築く態度と力を持ったたくましい人間の育成」を目的とした実践には共感できる部分がたくさんあります.ニイルの考え方をベースとした,きのくに子どもの村学園にもこの目的は変わらず残っていました.ただ,現在の受験制度や学力至上主義でも成長する子どもはたくさんいるので,安直にそれを否定することはできないと思います.2011/10/24