内容説明
人にとって書物とは何か。なぜ、書物は必要なのか。書物をぬきにして中国文化を語ることはできない。その書物は、どのように書かれ、整理され、系統立てられ、そして伝承されてきたのだろうか。前漢にはじまる皇室の図書事業は、やがて独立した「書物の学問」=「目録学」に発展し、過去から未来へと学問をつなぐ知の集積がはじまっていく。目録学の始祖と目される劉向(りゅうきょう)は、何を考え、何を成し遂げたのか。原資料と先行研究を幅広く渉猟し、目録学の誕生史を描き出す。
目次
序章 目録と目録学
第1章 劉向目録学のインパクト
第2章 目録学前史―戦国時代から前漢時代における学術と学派
第3章 前漢時代の皇帝と学問
第4章 劉向の家系と学問
第5章 『別録』と『七略』
第6章 校書の様相
第7章 『七略』の六分類
第8章 ポスト劉向時代の目録学
第9章 劉向の学を広め深めた学者たち―鄭樵・章学誠・余嘉錫
終章 書物はなぜ必要なのか
著者等紹介
古勝隆一[コガチリュウイチ]
1970年、東京生まれ、福岡県出身。東京大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了後、京都大学人文科学研究所助手、千葉大学文学部助教授を経て、京都大学人文科学研究所准教授。東京大学博士(文学)、専攻は中国古典学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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