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京大人文研東方学叢書
漢倭奴国王から日本国天皇へ―国号「日本」と称号「天皇」の誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784653043744
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0321

出版社内容情報

いまなお説の一致をみない国号「日本」、称号「天皇」の誕生説。多くの日本史研究者を悩ませてきた難題に、中国学者が挑む!国号「日本」、称号「天皇」については、日本史研究のうえでは論じ尽くされたかもしれない。しかし、中国学の立場からはすこし違った観点を提示することができるのではないか――(本文より) 
いまなお説の一致をみない国号「日本」、称号「天皇」の誕生の解明を念頭に、紀元前より数世紀にわたって繰り広げられた古代日本の対中国交渉の歴史にせまる。中華世界に従属した「倭」「王」は、いつどのように「日本」「天皇」への脱皮をはかったのか。そしてその思惑とは。多くの日本史研究者を悩ませてきた難題に、中国学者(シノロジスト)が挑む!


【目 次】

はじめに

第一章 倭国の認識
第一節 「倭」とは / 第二節 楽浪海中に倭人あり / 第三節 海の向こうに憧れた孔子 / 第四節 朝鮮半島出土の『論語』

第二章 漢倭奴国王
第一節 出土した光武帝の金印 / 第二節 「漢委奴国王」はどう読むのか / 第三節 朝貢の真の意味

第三章 親魏倭王卑弥呼
第一節 祁山悲秋の風更けて、陣雲暗し五丈原 / 第二節 親魏倭王となす / 第三節 『日本書紀』が記す「魏志倭人伝」

第四章 倭の五王の時代
第一節 邪馬台国、その後 / 第二節 漢人王朝の終焉 / 第三節 安東大将軍倭国王―倭の五王 / 第四節 複雑な官職名、称号 / 第五節 一品官をめざして / 第六節 南朝と北朝の抗争の中で

第五章 日本列島における漢字の伝来
第一節 倭王武の上奏文 / 第二節 出土資料が語る / 第三節 渡来人と漢字 / 第四節 石上神宮の七支刀

第六章 疎遠の六世紀―南朝中華主義の没落
第一節 南朝梁と倭国 / 第二節 中華主義への憧憬―職貢図

第七章 日出る国の天子―遣隋使の時代
第一節 遣隋使 / 第二節 煬帝に聞いてみなければわからない / 第三節 日出処、日沈処 / 第四節 天子 / 第五節 皇帝菩薩と当今如来 / 第六節 海西菩薩天子 / 第七節 『日本書紀』の遣隋使の記載

第八章 天皇号の成立
第一節 飛鳥池遺跡出土「天皇」木簡 / 第二節 天武以前の資料 / 第三節 天皇号に先立つ称号 / 第四節 オオキミ・王・皇 / 第五節 天皇号の誕生 

第九章 国号日本の成立
第一節 倭国、改めて日本国と曰う / 第二節 「禰軍墓誌」の発見 / 第三節 白村江の戦い / 第四節 国号「日本」の成立

終わりにあたって

参考資料/図版出典一覧/索引

はじめに

第一章 倭国の認識
第一節 「倭」とは / 第二節 楽浪海中に倭人あり / 第三節 海の向こうに憧れた孔子 / 第四節 朝鮮半島出土の『論語』

第二章 漢倭奴国王
第一節 出土した光武帝の金印 / 第二節 「漢委奴国王」はどう読むのか / 第三節 朝貢の真の意味

第三章 親魏倭王卑弥呼
第一節 祁山悲秋の風更けて、陣雲暗し五丈原 / 第二節 親魏倭王となす / 第三節 『日本書紀』が記す「魏志倭人伝」

第四章 倭の五王の時代
第一節 邪馬台国、その後 / 第二節 漢人王朝の終焉 / 第三節 安東大将軍倭国王―倭の五王 / 第四節 複雑な官職名、称号 / 第五節 一品官をめざして / 第六節 南朝と北朝の抗争の中で

第五章 日本列島における漢字の伝来
第一節 倭王武の上奏文 / 第二節 出土資料が語る / 第三節 渡来人と漢字 / 第四節 石上神宮の七支刀

第六章 疎遠の六世紀―南朝中華主義の没落
第一節 南朝梁と倭国 / 第二節 中華主義への憧憬―職貢図

第七章 日出る国の天子―遣隋使の時代
第一節 遣隋使 / 第二節 煬帝に聞いてみなければわからない / 第三節 日出処、日沈処 / 第四節 天子 / 第五節 皇帝菩薩と当今如来 / 第六節 海西菩薩天子 / 第七節 『日本書紀』の遣隋使の記載

第八章 天皇号の成立
第一節 飛鳥池遺跡出土「天皇」木簡 / 第二節 天武以前の資料 / 第三節 天皇号に先立つ称号 / 第四節 オオキミ・王・皇 / 第五節 天皇号の誕生 

第九章 国号日本の成立
第一節 倭国、改めて日本国と曰う / 第二節 「禰軍墓誌」の発見 / 第三節 白村江の戦い / 第四節 国号「日本」の成立

終わりにあたって

参考資料/図版出典一覧/索引

冨谷 至[トミヤ イタル]
著・文・その他

内容説明

いまなお説の一致をみない国号「日本」、称号「天皇」の誕生の解明を念頭に、紀元前より数世紀にわたって繰り広げられた古代日本の対中国交渉の歴史にせまる。中華世界に従属した「倭」「王」は、いつどのように「日本」「天皇」への脱皮をはかったのか。そしてその思惑とは。

目次

第1章 倭国の認識
第2章 漢倭奴国王
第3章 親魏倭王卑弥呼
第4章 倭の五王の時代
第5章 日本列島における漢字の伝来
第6章 疎遠の六世紀―南朝中華主義の没落
第7章 日出る国の天子―遣隋使の時代
第8章 天皇号の成立
第9章 国号日本の成立

著者等紹介

冨谷至[トミヤイタル]
1952年大阪府生まれ。京都大学文学部史学科東洋史学専攻卒業。文学博士。京都大学名誉教授。スウェーデン王立アカデミー会員。専門は中国法制史、簡牘学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

18
山海経。前80〜2年漢書地理志「楽浪海中に倭人あり」。57年後漢光武帝「漢委奴国王」、志賀島金印、倭奴国、倭国。遼東半島・公孫氏の滅亡。239年景初3年!邪馬台国・卑弥呼「親魏倭王」、魏志倭人伝、金印。親魏大月氏王。漢帝国の崩壊と南北朝の分裂、胡族国家の南下。5世紀倭の五王「安東大将軍倭国王」。6世紀空白の一世紀。胡漢融合の新たな中華帝国の成立。600年遣隋使。天智朝から統一国家成立。622- 623年 白村江の戦いの敗戦。「天皇」号、国号「日本」の成立(飛鳥浄御原令)。702年 遣唐使。2018/06/12

tom

15
最近、冨谷至さんの書いたものを読んでいる。この本は、「天皇」「日本」という言葉の出自について検討するもの。論拠とするのは、中国に残された多数の文書や古事記、日本書紀、その他の文書。古事記やら日本書紀なんてもの、読もうと思ったこともないし、そもそも読解することができない。そして、冨谷さんは、中国の文書(漢字ばかり)も引き合いに出し、中国の古代史と関連させながら解き明かす。なるほど、「天皇」「日本」という言葉は、はこんなふうにして形成されたのかとようやく知ることができた。面白い。2019/11/06

やすお

11
金印に彫られた「漢倭奴国王」の「倭」が「日本」となり「王」が「天皇」になった経緯を解説している。日本の古代史研究者ではなく古代中国の研究者の視点で解説されている。本書を読むと、古代の中国と日本、朝鮮半島の関係から、いかに「日本」と「天皇」という呼び方が生まれたのか分かる。「倭」が蔑称であったり、「王」という漢字が、実は中国の支配下にあることを意味したり、そのような理由で日本側が新しい呼び名を制定したという物語は、古代日本でいかに中国と対等の立場になろうと努力した光景が頭に浮かぶ。2019/01/16

黒豆

11
この本を読んでみようと思ったきっかけは冒頭にも記載されているが書評で、倭 がいつから 日本 という呼び名に変わったのか?に興味も持ったから。ちなみに両方とも読みは やまと 。 漢時代に 倭国 としての朝貢関係から白村江の戦い以降、隋との対等関係、倭国から日本へ。 独自の解釈もあるようだが説得力があった、2018/08/10

さとうしん

11
中国学者の立場からの日本・天皇号に対する観点を提示するということだが、倭国=倭奴(わど)国説などいくつかの説を除いては、一般的な話を手堅くまとめていという感じ。白村江の戦いは日本側にとっては唐との全面戦争であるが、唐側にとってはあくまで百済の残党との戦いであり、両者の認識にずれがあるという話は面白い。ただ、昨今流行の「東部ユーラシア」の観点からの外交論と比べると、全般的に物足りなさを感じる。2018/06/15

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