内容説明
「瀟湘八景」が受容され変貌して行く様子を詩歌と絵画を中心に丹念にたどり、中世・近世日本文化の様相に迫る講義録。
目次
第1講 中世における移入と展開(瀟湘;八景;中国における成立 ほか)
第2講 近世における普及(普及の様相;集成の動き;伝・玉澗作八景詩二種 ほか)
第3講 中世と近世をつなぐもの―注釈と版本(伝・玉澗詩の普及と注釈の発生;抄物のいろいろ;玉澗(1)の抄物 ほか)
著者等紹介
堀川貴司[ホリカワタカシ]
1962年生まれ。現在国文学研究資料館研究情報部助教授。中世・近世を中心にした日本漢文学を専門とする
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感想・レビュー
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アメヲトコ
6
2002年刊。2000年に国文学研究資料館で行われた原典講読セミナーの内容を活字化したもの。中世を扱った第1講、近世を扱った第2講は興味深かったですが、注釈本を扱った第3講はやや込み入った印象でした。多くの古典を挙げてくれているので事典的に使うには有用。2024/07/29
yuzi
1
瀟湘八景。どう説明すればよいのかわからないくらい色々な分野に進出した画題?歌題?風景評価の一手法? もとは南宋時代に風光明媚で左遷の地である瀟湘地方で読まれた詩。かな。それが五山の僧を通じて大陸から日本に入ってきて僧から天皇家や公家、武家に広まり江戸時代には一般大衆にまで広まる。そのころには「瀟湘」は抜けて「八景」て感じですが。ご本人もおっしゃってますが、「原典講読セミナー」とは何ぞというくらいシリーズ名に反した構成で雑然としてまとまりがない内容ですが、原典をもとにつらっと知りたい人にはおススメ。かな?2022/12/31