内容説明
数々の名作を生み、古典喜劇を大成したモリエールの全作品を新たに翻訳、製作・発表年代順に収録する。各巻に各国の研究者による論文や評伝、資料、年表を付して刊行する決定版全集。本巻には、代表作「守銭奴」他三編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろべると
6
4作目。相変わらず面白い。こうして代表作を中心に見てくると、いくつかの類型パターンがあるが、代表的なのは、子の結婚を許さない父親(貴族やブルジョワが多い)に対して、恋人達に小間使いなどが加勢して策略を巡らし、結婚にこぎつけるというもの。「守銭奴」では、父親がさらにドケチで、しかも息子の恋人と再婚しようとする設定だ。観にきた父親達は楽しみつつ、自分だけはこうはならないと思っているのだ。ただどれも比較的シンプルな構成であり、それだけシェイクスピア(モリエールが生まれる前に死んでいる)の偉大さを感じるのも事実。2022/06/14