内容説明
「守銭奴」「タルチュフ」など数々の名作を生み、古典喜劇を大成したモリエールの全作品を新たに翻訳、製作・発表年代順に収録する。各巻に各国の研究者による論文や評伝、資料、年表を付して刊行する決定版全集。
目次
作品(強制結婚;エリード姫;タルチュフ;ご令息の死に際してラ・モット・ル・ヴァイエへ捧げるソネ ほか)
研究論文(モリエールと宗教的偽善について;『ドン・ジュアン』の歴史と意義)
巻末資料(ロカテッリの劇団によって一六五八年、パリで上演されたコメディア・デラルテ版『石の招客』台本)
モリエール 人と作品(四)(一六六四~一六六五年)
年表(一六六四~一六六五年)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろべると
7
3冊目。ルイ14世はヴェルサイユの庭園で何日間にもわたる「魔法の島の悦楽」を催した。音楽や花火や噴水とともに上演されたコメディ・バレのひとつ「エリード姫」は、歌ありバレエありの当時の祝祭の様子を伝える。一方で有名な「タルチェフ」は聖職者の悪道を描き、圧力を受けて上演中止となるも、国王に請願して許されたとのこと、確かにこの内容では教会は怒るだろうな。「ドン・ジュアン」は有名な女たらしの話だが、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」と比べると対決シーンも少なく盛り上がらない。最後の地獄落ちもあっさりしている。2022/05/21