内容説明
アーノルドはブランチとの新婚旅行の最中にアンから衝撃的な手紙を受け取ることになる。それは彼ら三人が知らずに陥ってしまった悲劇的な事態を告げるものだった。サー・パトリックに彼らを救うことが出来るのか。そして、ジェフリーはレースで勝利を収めるのか。不気味な料理人ヘスターの再登場は何を意味するのか。物語は意外な展開を経て衝撃的な結末に至る。コリンズ最盛期の気力溢れる傑作娯楽小説の完結編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
3
18歳で離れ離れになったアンとブランチが24年後に再会した時、アンはアイルランドの婚姻法によってとんでもない目にあっていた。そしてそれぞれの娘アンとブランチの人生に波紋を投じたのは、今度はスコットランドの婚姻法だった。ブランチは軽率さが鼻につき、一心にブランチを思うアンはあまりに不憫。身を守るための小細工が、逆に災いとなって降りかかり、思わぬ展開と思った通りのヤキモキ展開が寄せる波のように襲ってきて、もう胸の内がごおぉー！社会的に守られない妻の立場も加わって、更に悲惨な真実へと、実にドラマチック！2010/12/17
tomo6980
1
古代ローマではコロッセウムで貴族階級が奴隷（剣闘士）を殺し合わせていたけれど、現代（19世紀だけれど）は貴族階級が死の危険を犯してまで庶民の前で陸上やボート競技を行う。いつの間にやら市民革命が起きてしまっているようだ。コリンズの批判があそこまで強いのは、ただのマチズモに対する嫌悪だけでなく、そういう社会的な転倒への不安もあったのかもしれない。2021/08/09
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