内容説明
美貌の妖婦グウィルト嬢は、狙いどおりアランを虜としたかに見えた。ところが、嫉妬に狂ったミルロイ夫人の策謀によってアランはグウィルト嬢の正体に疑問をもつ。一方、ミッドウィンターは排すべき宿命の敵と予感しながら、グウィルト嬢への断ち切れぬ恋情に苦悩し、そして彼女もまた、そんな彼に心惹かれはじめる。グウィルト嬢の正体を暴くべく明晰な頭脳を働かせる弁護士、妖婦への恋に溺れる老人、アランに一途な恋をする娘…。様々な人物たちの思惑が絡みつつ、物語は思わぬ方向へ動いていく―コリンズ最盛期の傑作、いよいよ佳境に。
著者等紹介
コリンズ,ウィルキー[コリンズ,ウィルキー][Collins,Wilkie]
著名な風景画家ウィリアム・コリンズの長男としてロンドンに生まれる。紅茶輸入業者のもとで働いた後リンカーンズイン法学院に入り、後に弁護士の資格を得る。1850年最初の小説『アントニナ』を出版
横山茂雄[ヨコヤマシゲオ]
1954年大阪に生まれる。京都大学文学部卒業。現在奈良女子大学大学院人間文化研究科助教授。専攻は英国小説
佐々木徹[ササキトオル]
1956年大阪に生まれる。京都大学文学部卒業。現在京都大学大学院文学研究科助教授。専攻は英国小説
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