出版社内容情報
すごく貴重な「自由」を享受しているのに気づいていない。自分の頭でしっかり考えていないと、あっと言う間に失くしてしまうのに──。生まれたときから身の回りにある「自由」と「民主主義」について、若い人の身近な日常に即して描く、「言論の自由」専門研究者と絵本作家のコラボレーションによる絵本。謎のイキモノ「くうき」の4コマ付き、プロフェッサー・ケンタによるコラム&解説付き。
内容説明
最後の“武器”は民主主義!プロフェッサー・ケンタと考える自由のための7章。
著者等紹介
山田健太[ヤマダケンタ]
1959年京都生まれ。専修大学ジャーナリズム学科教授。専門は言論法、ジャーナリズム研究。日本ペンクラブ副会長、自由人権協会理事などを務める。毎年、学生を率いて沖縄や福島などを訪ねている
たまむらさちこ[タマムラサチコ]
1970年東京生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業後、オランダ王立美術アカデミーに留学。1995年文化庁芸術インターンシップ国内研究員。イラストレーター、グラフィックデザイナー、美術作家。2020年第9回MOE創作絵本グランプリ受賞。2021年受賞作『ポッポポーン』(白泉社)を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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まる子
21
日本では多数決によって物事が決まる事が多い。選挙もそのひとつ。10,001人の賛成vs10,000人の反対。だった1人の違いで賛成になる。それってどうなの?それだけの反対があるなら、反対の意見も取り入れた進め方も必要だよね。意見があっても同調圧力により声を出せない。集団を率いている人の間違いさえ声にできない。それは徐々にその集団の道を良からぬ方へと。自分の都合が悪い事は言いたくないよね〜(笑)空気を読む事が決して悪いことではないけれど、「静かな多数派」をサイレント・マジョリティというそうです。2023/01/27
makoto018
9
“ある集団がどうすのか 空気や未来を決めるのは 声の大きい「言い出しっぺ 」ではなく 周りにいる人のはじめの反応と たくさんのだまっているわたしたちだ"本書はこれにつきます。昭和世代で言えば、山本七平著「空気の研究」。こんな内容を小学生でもわかるように解説した本。家族や住まい、職場での人間関係が薄れてたり、SNSなどでも見える同調圧力や非寛容性。コロナ禍の差別や空気感を見れば何も変わっていないことがわかる。サイレント・マジョリティではない、物言える多数派が、次の世代に増えてくれば、未来は少し明るくなる。2024/12/29
なま
7
★4.1 集団の中で感じる「くうき」。『空気や未来を決めるのは声の大きい「言い出しっぺ」ではなく周りにいる人のはじめの反応とたくさんの黙っているわたしたちだp54』サイレント・マジョリティは自分に関係無い事は深く考えたくない。皆が賛成する意見に賛成だという状況下で積極的に発言をする声の大きい少数の人、ラウド・マイノリティの発言から空気を察する状況に・・。多数決は対話と少数意見の尊重を忘れずにととく。巻末には関連用語の解説が掲載されており、抽象的な内容も具体化してくれるのが良い。2024/11/26
うちボン
4
『この「対話」と「少数意見の尊重」があって、初めて多数決は生きてくる。』『悪の凡庸』『…必要な時に声を上げることの大切さ…』2024/09/23
つんどく
4
薄くて緩い絵柄でイラストの多い、ぺらぺら捲ったら絵本のようでもあるが、サイレントマジョリティについての理解のしやすい一冊。最初に戦争の話を持ってきたのが直球だなと思った。子ども向けのようだが大人にも読んで考えて欲しがっている。黙って「空気」を読んでいたら多くの人が願っていない方向へ進む事がある。多数決は必要だけれど、少数派の意見も無碍にしてはいけないという事もちゃんと示されている。きな臭い昨今だからこそ面倒な事も話し合って聞こうね意見しようねと。2024/07/05