出版社内容情報
日々の暮らしの中に、とつぜん訪れる不思議な出会い、驚き、感動──そこから生まれるバラエティに満ちた18のお話を集めた作品集。かっぱ、きつね、鬼、神さま、魔女……岩手の地で半世紀近く書き続けてきたファンタジー作家が折々に書いた、現代の遠野物語。
内容説明
日々の暮らしにおとずれる、不思議な出会い、小さな発見、驚き、喜び…『霧のむこうのふしぎな町』『岬のマヨイガ』の柏葉幸子が40年にわたり書きためた、現代の遠野物語。
著者等紹介
柏葉幸子[カシワバサチコ]
1953年岩手県生まれ。東北薬科大学卒業。大学在学中に講談社児童文学新人賞を受賞、審査員であった佐藤さとる氏に認められ、デビュー作『霧のむこうのふしぎな町』で日本児童文学者協会新人賞受賞。ファンタジー作品を多く書き続けている。『ミラクル・ファミリー』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞、『牡丹さんの不思議な毎日』で同賞大賞、『つづきの図書館』で小学館児童出版文化賞、『岬のマヨイガ』で野間児童文芸賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
70
僅か数ページの作品を集めた短編集。優しい話、楽しい話、そして切ない話も…。家族の絆を描いた物語が多かったように思います。それがたとえ、どんな形であったとしても…。日常と非日常が無理なく融合していて、さすが柏葉幸子さん。ピリッとスパイスが効いていて、大人のほうが響くかもしれません。どれも短いストーリーですが、不思議な余韻を残します。あとがきも楽しい。2022/04/15
よこたん
51
“お地蔵さまは、海にさらわれた子どもたちを見守りに行くんだよ” 日常の風景のなかに、そっと紛れ込んだ不思議。驚くことはない。皆もなんとなく受け入れている出来事。ほんのり涙ぐんだり、ふふふと笑みがこぼれたり、立ち止まってよく考えたらぞわりとしたりの小さなお話が18個。「風待ち岬」「お地蔵さま、海へ行く」「鬼当番」「私の家族」「ぞうぐみさん」が好み。帯にある、現代の遠野物語という言葉が、とてもしっくりくる。子どもが遭遇する身近な人の死は、どんな形であっても胸が痛い。さらりとした表紙と挿絵もよかった。2022/08/04
ぶんこ
48
短い18編の全てに不思議が宿っていました。子どもの頃なら全部信じたかもしれないような不思議。ありそうで、あったらいいなもあって楽しかったです。ひとつだけ怖かったのが「ヤバイ学園」こんな親がいたらと思うと子どもには読ませたくない。人間以外に育てられる子どもの話が良かったです。2022/04/25
chiaki
44
ちょっと不思議なおはなしや、ほんわか可愛らしいおはなし、ブラックユーモアの効いたおはなし、東日本大震災を題材にしたおはなしなど、バラエティーに富んだ贅沢な18話の短編集。『風待ち岬』『お地蔵さま、海へ行く』『桃の花が咲く』『私の家族』『ぞうぐみさん』がお気に入り。あとがきもよかったです。同人誌『鬼ヶ島通信』初めて知りました。2016年12月/68号 末吉暁子追悼特集号気になりすぎる!2022/10/02
ひめか*
41
大人が読んでも楽しめるYA短編集。特に好きな話→離婚して父親がいない友達同士が、おやじ検定について教えてくれるおじさんと出会う「パパ検定」、親がうまく育たないと思ったら子供をそこへ捨てるという「ヤバイ学園」、鬼に選ばれた子が鐘を鳴らしながら学校中を走る「鬼当番」、事故に遭って生き残った赤ん坊の自分を、狐家族が育てたと兄に明かされる「私の家族」、熊に取り憑かれた「くまこ」、魔女とパフェ友になる「魔女のパフェ友」、魔女に会えた子が6番目の不思議を作れる「七不思議の魔女」。優しくて穏やかな読後感の話が多かった。2024/11/15
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