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出版社内容情報
「ヴェニスに死す」で知られるトーマス・マン短編集。ノーベル文学賞受賞作家でもあるドイツの文豪、トーマス・マン。19歳でのデビュー作「墜ちる」を含む、主に若かりし時に執筆した選りすぐりの短編五編。自身の体験が色濃く投影された作品群は、人物像に迫る意味でも興味深い。
内容説明
ドイツの文豪、トーマス・マン。19歳でのデビュー作「堕ちる」を含む短編五編。
著者等紹介
マン,トーマス[マン,トーマス] [Mann,Thomas]
1875年ドイツのリューベックに生まれる。1894年“Gefallen”でデビユー。1929年ノーベル文学賞を受賞。ナチスの台頭によりアメリカに亡命し戦後はスイスに移住。ヒューマニズムの立場で民主主義を支持。作品に「ヴェニスに死す」「魔の山」などがある。1955年没
木本栄[キモトサカエ]
イギリス・ロンドンに生まれる。ドイツ・ボン大学を卒業後、翻訳家となる
ヨシタケシンスケ[ヨシタケシンスケ]
1973年神奈川県に生まれる。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。『りんごかもしれない』で産経児童出版文化賞美術賞などを『もうぬげない』でボローニャ・ラガッツィ賞特別賞などを『このあとどうしちゃおう』で新風賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
66
トーマス・マンの短編集。自伝的要素の強い「道化者」。作者も、作家として大成するまでは、「道化者」の主人公のような自虐的な心境になったこともあったのかもしれない。「堕ちる」も、自らの体験かもしれないという印象を受ける。遺産を手に入れ、自由になってすぐの作家自身も、こうした経験を何度か繰り返したのかもしれない。「神童」は、神童の心境、彼の演奏を聴いた聴衆たちの心境が、シニカルに描かれている。他に、「鉄道事故」「逸話」。どの話も、かなりシニカルだ。2021/11/27
アナーキー靴下
60
『魔の山』や『トニオ・クレーゲル』に尻込みしまずはこちらを。お気に入りの方のレビューに太宰治や又吉直樹を思い出したとあったが確かにと納得。ただ、あちらは満たされない「何者かになりたい」願望、出口のないトンネルにひたすらもがく印象だが、こちらは「何者かになりたい」が叶ってしまった後の苦悩のように思う。何より欲しかったはずのものを手に入れてもそこはゴールではなく人生は続く。「道化者」は成功者であるがその先の理想がなかった。高みを目指し続けるのは苦しいが、降りて安寧を得るには目的をすり替える必要があるのだろう。2024/07/12
美東
29
トーマス・マンの小説は初めて読む。「ヴェニスに死す」をヴィスコンティ監督によって映画化(1971)されたのを観た程度である。あれはグスタフ・マーラーをあからさまにモデルにしていた。2022/01/26
びぃごろ
20
名作を読み易く、ヨシタケシンスケのイラストを添えて!ノーベル文学賞を受賞した人なのね。そんなレベルで手に取るには、肩ひじ張ることなくいい塩梅でした。訳者の力もあるのでしょう。短編5本「神童」ピアノ小僧「道化者」これが幸せと臨んだ生活だったはずなのに、胸に潜む不安と焦燥ーそりゃそうでしょ、若いうちからご隠居生活で満たされるはずはないと思いますよ。「堕ちる」デビュー作!初恋に溺れる己の過去を小説風に語る。「鉄道事故」生々しい体験「逸話」これヤだね~仮面夫婦。2022/01/25
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
世界ショートセレクション。以前5年生にシリーズの1部を紹介したので未読の本を読んでます。『 神童 / 道化者 / 堕ちる / 鉄道事故 / 逸話 』2022/03/20