内容説明
「しんではいけない。しんではいけない」はげしいいたみに気が遠くなるなか、母ぐまは二ひきの子ぐまを思い、のうみそのおくの方でさけびました。いのちのきけんととなりあわせの野に生きる、くまの母子のあいをえがいたお話です。
著者等紹介
椋鳩十[ムクハトジュウ]
1905年長野県生まれ。法政大学卒業。受賞歴に『片耳の大鹿』で文部大臣奨励賞『孤島の野犬』でサンケイ児童出版文化賞・国際アンデルセン賞(国内賞)『マヤの一生』『モモちゃんとあかね』で赤い鳥文学賞・児童福祉文化奨励賞、“母と子の20分間読書運動”でモービル児童文化賞など。1987年没
村上康成[ムラカミヤスナリ]
1955年岐阜県生まれ。創作絵本の他、多方面で活躍する自然派アーティスト。『ピンクとスノーじいさん』『ようこそ森へ』『プレゼント』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞『ピンク!パール!』でブラチスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ金牌『なつのいけ』で日本絵本大賞を受賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
35
椋鳩十、シートン、ファーブル。この三人の名前がついているものなら何でも読んだ子供時代。このお話も読んだような気がします。お母さんグマと、十代ぐらいの若いクマが一番危ない、と聞きますが、必死に子供を守ろうとするお母さんの様子は、種族を超えてオカンの心を揺さぶります。一緒に暮していけたらどんなにか。現実と理想に揺さぶられつつ、ため息交じりに読みました。絵が漫画チックなので深刻になりすぎないのは配慮なのかな。2018/08/24
♪みどりpiyopiyo♪
29
日本アルプスの ふもとの 大きな林の中でした。…冬ごもりの間に できた 二ひきの 子ぐまは、ときどき 思い出したように 目を ひらいては、おかあさんぐまの おちちに かぶりつくのでありました。■椋鳩十の童話の小品です。こちらは村上康成さんの長閑な絵で、のほほんと始まります。お母さんぐまは子ぐまのヒーロー☆ 大変な危険に遭っても 何としても子を守る野生の意思。■頼もしいお母さんグマと一緒に帰る子グマたち。こうしてすくすく大きくなるのですね ( ' ᵕ ' ) (文 1949年、絵 2018年)2018/03/23
aloha0307
23
春の雪どけのなだれの音 ねざめ前 母さんのやさしい歌のよう...母ぐま&ちび熊2匹 穏やか幕開けです。 大好物のサワガニをみんなでむしゃむしゃ”一匹一匹がそのまま自分の肉になっていく”(この記述すごいなあ おいしいものってからだにしみ込んでいく感覚だもんね)。が、場面が一転 猟師と犬が迫りくる...我が身をうっちゃって必死にこどもを守る母ぐまに大きな感涙。亡きわが母もそうだったよ...2018/03/24
ヒラP@ehon.gohon
22
これだけ緊迫感のある話と、あまり緊迫感のない絵のコラボレーションも不思議ですが、とても味わい深い絵本になっていると思います。 冬ごもりを終えて春を感じているクマの母子の感じが、村上さんの絵を楽しんでいたら、突然聞こえてきたのは、猟師と猟犬のやって来る音でした。 命をかけて子どもたちを守ろうとする母ぐまの行動に魅了されます。 傷だらけになって帰ってきた母ぐまに次の危険が待っています。 でも、このお話の結末にはほっとしました。2018/04/03
あおい
20
冬眠から目覚めてすぐかりゅうどと遭遇したくまの親子。母ぐまが子供を助ける為に囮になり必死に犬と戦う姿「しんではいけない」という強い想いに胸が熱くなりました。2018/09/15