内容説明
そのとしの夏、朝はやく家をぬけだして木イチゴをさがしにでかけた太郎は、小さな谷間の家をたずねました。―小さな神さまが登場する「コロボックル物語」の前身。初版刊行時の絵による五〇年ぶりの復刊!
著者等紹介
佐藤さとる[サトウサトル]
1928年、神奈川県横須賀に生まれる。児童雑誌の編集などに携わるかたわら1950年、長崎源之助、いぬいとみこらと同人誌「豆の木」を創刊。1959年、初の単行本『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞・日本児童文学者協会新人賞・国際アンデルセン賞国内賞などを受賞。1967年、『おばあさんのひこうき』で野間児童文芸賞・児童福祉文化賞(厚生大臣賞)などを受賞。1988年、厳谷小波文芸賞受賞。2007年、『本朝奇談 天狗童子』で赤い鳥文学賞受賞
池田仙三郎[イケダセンザブロウ]
1924年、神奈川県に生まれる。同人誌「豆の木」に佐藤さとる等と共に参加。1950年代から児童書や紙芝居の絵を多く手がける。1971年の紙芝居『どっちがたかい』(香山美子・作)が五山賞画家賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ツキノ
15
初版刊行時の絵による50年ぶりの復刊だそうです。太郎とおじいさんとのやりとりには読みふけってしまった。「昭和初期のイメージ」の挿絵がとてもいい。梨木香歩さんが繰り返し読んだおはなしだそう。2016/06/23
にんじん
14
ある日、お母さんは泣き虫やいたずら虫、怒り虫など様々な『虫の神様』のお話を作り、息子と双子の娘に物語ります。それを聞いた子どもたちは自分たちで好きなように続きを考え、気が向くと家族に話して楽しんでいました。それから数年後のある日、息子の太郎くんは仲良くなった年下の女の子に、自分の中でずっと温めていた『虫の神様』のお話を披露するのでした。大切な人から大切な人へ、お話とともに受け継がれてゆく温かさが心地好い作品でした。2019/04/25
あられ
11
追悼・佐藤さとるさん。この本(話)、きっと子どものころに読んだと思うのだが、忘れていた。orz。。。だから、読んでよかった。池田仙三郎氏による装画の初刊本の復刊、ちょっと古めかしいが、いい雰囲気。そして、佐藤さとる氏の原点、ここから始まっている、というエピソードがいっぱい。ここから、コロボックルが始まっていることがあふれている。ものすごく好きなお話。愛蔵版の林静一氏の本も読んでみたいなぁ。。。2017/03/05
どら母 学校図書館を考える
11
すこしも古くない物語。不思議。2016/05/08
クサナギ
10
今月読んだ本を登録。こちらは初めて読みました。構造が少し複雑な物語(おばあさんが孫に語るところからはじまり、登場人物のお母さんも子どもたちに虫の神様の話をして、それを太郎くんがふくらませ……太郎くんが大人になり……)で、低学年には難しいかな?太郎くんがいたずらを見つかった場面で、いつのまにかいたずらをしていたことに気づいたから驚いたとありますが、なんだか身におぼえが……。そう思ったらこの物語が一気に好きになりました。2017/05/31