目次
国境のある島で暮らして 神沢利子
ふりむくと戦争があった 森山京
少女時代を満州で過ごして あまんきみこ
「ほろびた国」での少年時代 三木卓
雪国での集団疎開 角野栄子
戦中戦後の思い出から 三田村信行
広島に生まれて 那須正幹
米軍基地のある町から見た戦争 岩瀬成子
著者等紹介
野上暁[ノガミアキラ]
1943年生まれ。評論家、作家。日本ペンクラブ常務理事(「子どもの本」委員長)。東京純心大学こども文化学科客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
76
地元図書館の戦争・平和特集特集棚。 ズッコケ三人組の那須さん、被爆していたのですね。 そして右翼少年山二矢こえー。社会党の浅沼さんを殺すだけでなく広島の平和集会にも乗り込んできたのか…(汗) 後、進駐軍としてインド兵もきていたのか…。戦闘に参加していたというのは聞いていましたが進駐軍は初耳でした。 そしてオーストラリアのクソっぷりは戦後直後も今も変わらずですね。2023/07/31
はる
65
当時少年少女だった児童文学作家たちが見た日本とは。あまんきみこさんの満州での思い出や、角野栄子さんの集団疎開の苦労が特に印象的でした。神沢利子さんは『少女の友』の投稿の常連だったとか。そのバッジを集めていたというエピソードは伊吹有喜さんの「彼方の友へ」と繋がるようで感慨。若い読者に向けた本なのでルビが多く注釈も丁寧。語りかける形式なので、皆さんの飾らない素顔がより近く感じられました。2018/06/04
ちえ
31
読友さんのレビューで知った本。児童文学者達の体験した戦争。その時代を子供として生きたそれぞれの体験。どの話も興味深いけど、岩国基地のすぐそばで生まれ育ち、今もそこで生活する岩瀬成子さんの「戦争は今もずっと続いている」という言葉にはっとさせられた。岩瀬さんの本は読んだことがないので読みたいと思う。満州や樺太の話も語る人がだんだん減っていくのですね。子供でも読めるので、是非子供たちに読んでもらいたい。2018/10/11
paf ❤︎
29
子ども時代に終戦を迎えた児童文学作家たちの、記憶による、児童向けインタビュー作品。残念な点がふたつ。ご本人による文章でないことと、やはり何というか…皆さん生まれ・育ちが良いせいか、経済的に恵まれていた様子が漂っていること。国内全土の貧しい食糧事情に、それほど苦しんではいなかったよう。ひとつの事実、形としては良い本だと思うけれど…。あの時、日本人は、草を食べ泥水を飲んで生き延びたのではなかったか。それも又、美化していることになるのかなぁ…。2018/10/20
リノン
21
あまんきみこさんと三木卓さんの満州での様子は、先日読んだ中脇初枝さんの「世界の果ての子どもたち」を思い出しました。実際にも、満州はあの様な状態であることが伺えました。とは言え、児童書作家になれるお家事情?ということもあり、どの方も戦前戦後を通して、上流家庭に近い様に感じます。岩瀬成子さんの岩国基地の話は、現在のこともあり、印象に残りました。2015/10/20