内容説明
学校に行けなくなったボクの前にコツゼンと現れた、葛飾北斎。中学生が巻きこまれた粋なタイムスリップ。現代にやって来た美の巨人・北斎。時空を超えたアートの物語。
著者等紹介
花形みつる[ハナガタミツル]
神奈川県生まれ。『ゴジラが出そうな夕焼けだった』(河出書房新社)でデビュー。『ドラゴンといっしょ』(河出書房新社)で野間児童文芸新人賞、『サイテーなあいつ』(講談社)で新美南吉児童文学賞、『ぎりぎりトライアングル』(講談社)で日本児童文学者協会賞と野間児童文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
89
ちゃらんぽらんな父親が拾ってきた 北斎を名乗る爺さん。肉筆画でひと山当てようと目論む父に、北斎先生のお守りを押し付けられた引きこもりの為一少年だったが…。同じ時代に生きていても89歳と中学生ではぎくしゃくしそうなもの、ふたりのズレたやりとりが笑える。やっと絵を描いてくれたと思ったら自由帳にサインペンというのも可笑しい。笑いながらあっという間に読んだ。タイムトラベラーは案外身近にもいるのかもしれない。2016/09/16
果実
35
面白かったです。タイムスリップしてきた北斎が不登校中の中学生と過ごすお話。要素がふんだんに盛り込まれ、どこか欠けた登場人物たちの会話や成長、ネタ明かしから全て繋がるのも楽しい。同じ作者の『アート少女』ともども「青春の一ページ」という感じで読書感想文が書きやすそう、と思ったり。2016/06/13
信兵衛
26
あの北斎が現代東京にタイムスリップ。その北斎の面倒を見るのは不登校中の中学生という次第。 二人のコンビ、祖父と孫のような組み合わせで楽しい。父親の言う事はすんなり聞けなくても、祖父の言葉なら素直に聞けるのかもしれませんねー。2016/06/13
みっちぃ
26
表紙の女の子が主人公だと思い込んで読み始まったら、中学生男子だった。タイムスリップもの。主人公が違う時代・違う世界へ行くのではなく、「来られる側」の話は初めて読んだかもしれない。北斎さんがコンビニスイーツにハマったりするのが笑えた。北斎のイメージが…。ちょっと、いやだいぶ変わった(笑)でも、こんな偏屈じーさん、端で見てる分には、嫌いじゃないな。2015/10/17
なにょう
22
★面白かった。不登校の中学生、タイムワープしてきた北斎に出会う。現代にワープした北斎、意外にすんなりケータイ、コンビニその他モロモロに馴染む。次の満月の夜、北斎は江戸時代に帰るという。★不登校児、北斎と東京をぶらぶら、北斎の証言から、関東大震災と戦災で様変わりする以前の江戸の面影が浮かび上がる。大川こと隅田川、今は埋め立てられた大川に流れ込む様々な川。川を走る舟。山谷堀、日本堤、吉原。ブラタモリだ。★盛りだくさんの内容、伏線もきっちり回収、すっきり解決、面白かった。2016/01/17