内容説明
ブラックな味わい、ばつぐんの切れ味!オー・ヘンリーとならぶ“短編小説の名手”
著者等紹介
サキ[サキ] [Saki]
1870年~1916年。本名は、ヘクター・ヒュー・マンロー。ビルマ(現ミャンマー)に生まれ、イギリスで伯母に育てられる。ビルマ警察に勤務後、ジャーナリストに転身。小説家として、オー・ヘンリーとならぶ短編の名手と称される。第一次世界大戦で戦死
千葉茂樹[チバシゲキ]
1959年、北海道生まれ。国際基督教大学卒業。出版社勤務を経て、翻訳家になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
107
生涯に130篇余りの短篇を遺したサキの作品群から『子供』『動物』が登場する14の物語を収録。サキの作風として良く言われることだが、シニカルでブラックな味わい。この特徴が子どもの心理描写として描かれると、背筋がぞくぞくする怖さを漂わせる。特に印象的だったのが最後に収められた『罪ほろぼし』。愛猫を殺された三兄弟が敵の大人を心理的に追い詰めていく復讐劇は、緊迫感に満ちている。物語を締めくくる一節も鮮やか。標題作『森の少年』は静謐な筆致で綴られるホラー。謎めいた言葉、悲鳴、消えた子供……恐怖の余韻。平易な訳も◎2015/12/09
mocha
100
子どもや動物が出てくる話を中心とした14篇。児童書をたくさん手掛けてきた千葉茂樹さん翻訳なので、とても読みやすい。大人=権威や押しつけ。大人をやっつける非情なやり方にゾッとする。時代や生い立ちのせいか、いつまでも子どもの心を持っていたからなのか、多分両方。ロアルド・ダールと共通するものを感じた。子どもにはO・ヘンリーよりも楽しいと思う。佐竹美保さんの抑えたイラストが雰囲気を盛り上げている。2016/10/19
kei
27
以前読んだ本と掲載作品がかぶっていたのでほぼ再読。やはりおとぎ話的な怖さを含んでいてサキは好きです。文字が大きく漢字にルビが振ってあるので小学生高学年向きかな?でもサキなので内容はぞわっとします。この本を手に取る小学生に会ってみたい…(^ ^;)2016/12/12
みつ
22
サキの短篇集を読むのは、これで何回目か。訳者あとがきにあるように子供や動物がメインキャストを務める作品を中心に選ばれている。「もっともサキらしさが出ている」と言うように動物たちは人間たちの平安な生活を脅かし、子供は残酷さを隠そうともしない(扉絵の彼らが全く可愛げがないのも「いかにも」という感じ)。何度も読んでいる作では、パントマイム風の『ネズミ』、不機嫌そうに見える夫人をなんとかとりなそうとする『アン夫人の沈黙』、怖い話の『開いた窓』、O・ヘンリ風の舞台で進む『夕暮れ』が、最後の一行で物語を無力化する。2025/09/03
Shoko
17
図書館。訳者が、もっともサキらしさが出ているという、子供や動物が主役となる作品、14作品が収められた短編集。シニカルでブラックな趣きの作品ばかりで、子供向けの本とは思えない。ただ、子供は残酷なものと、言われることがあるように、このサキの作品に出てくる子供は、一途に思いつめたり、はたまた無心に何かに没頭して、周りが見えなくなったりする、子供の様子や心理をよく表しているようにも思える。最後の「罪ほろぼし」が緊張感とホッと胸をなでおろしたのとで、一番印象に残った。2016/05/30
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