内容説明
そこは、善も悪もない地獄のような世界―文学のほんとうの怖さを体験してみませんか?芥川文学を読み解くための詳しい解説がついています。
著者等紹介
松尾清貴[マツオキヨタカ]
1976年福岡県生まれ。国立北九州工業高等専門学校中退後、ニューヨークに在住。帰国後、国内外を転々としながら小説を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイマックス
70
久しぶりの古典。「羅生門」「鼻」「芋粥」「地獄変」「竜」の5作品。2022/12/30
to boy
32
教科書でしか読んだことがなかった芥川を今さらながら読みました。人間の倫理って何? 正しい生き方ってなんだろう。己の心の赴くまま生きて行くのは悪なのかなど色々考えさせられた。「地獄絵」のおぞましき終盤に見える人間の残虐性と狂気を誰が糾弾できようか。2019/01/05
いろは
28
「芥川龍之介は天才ですよね。」いつかの読書会で誰かがそんなことを言っていたのを思い出す。辰年辰月辰日辰刻に生まれた為に「龍之介」と名付けられ、母の実家である芥川家に引き取られる。作家活動を始めたのは22才のときで、現代語の礎を築いた夏目漱石の弟子となった。だから、夏目漱石の著書にも芥川龍之介のルーツが垣間見えるかもしれない。さて、この作品は『羅生門』、『鼻』、『芋粥』、『地獄変』、『竜』の5編の現代語訳と詳しい解説がついている。芥川龍之介の著書を読んだけど、内容が掴めなかった人にぜひオススメの作品である。2018/03/09
ひなきち
18
久しぶりに芥川龍之介を読む。YAが対象の本だからか、とても読みやすい。「王朝もの」と呼ばれる「羅生門」「鼻」「芋粥」「地獄変」「竜」が収録されていた。いやあ…こんなにも人の心の機微が繊細に描かれていたのか…と新発見だった。読んでいて怖くなるレベルだ…。行間を含めて描写から心情を推理しながら読める小説は本物である。解説まで読むとさらに深堀りできるからオススメだ。個人的には「芋粥」について、もっと熟考してみたいと思った。2020/03/08
パズル
8
芥川龍之介作品の現代語訳。その為、登場人物達の心情がとてもわかりやすく、面白かったです。また、例えば「地獄変」での語り手への違和感など解説してくれているので、納得も出来てすっきりしました。2014/08/16