天狗ノオト

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天狗ノオト

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  • サイズ A5判/ページ数 318p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784652200087
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

山間の村に越してきた保。偶然開いた祖父の日記から「天狗ノォト」の存在を知り、友と探し始める。祖父は若き日に訪れたこの山で何を見たのか?──過去と現在がつながり、山里と異界、人と天狗が織りなす壮大なファンタジー。

内容説明

じいちゃんの日記に記された謎の一文―天狗ニアフ。じいちゃんは一体なにを見たのか。天狗とはなにを意味するのか…ぼくらは探りはじめる。深山と里山、過去と現在、じいちゃんとぼくら、その接点に見えてくるものは―?第11回児童文学ファンタジー大賞奨励賞受賞作。

著者等紹介

田中彩子[タナカアヤコ]
1979年東京生まれ。早稲田大学大学院修了。「絵本・児童文学研究センター」主催の児童文学ファンタジー大賞において、2002年、2005年に奨励賞、2006年に佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

192
田中彩子さん初読み。読友さんが「これ子供が読むだけじゃもったいないでしょ!」と激推しだったのに惹かれ…うん、じゃがーさんのレビューに偽りなし!小学生の保を主人公にした序盤は少々子供っぽくて「大丈夫?」と心配したが中盤からの切なくも多くの含蓄ある内容に魅了された。終盤の保を中心にした展開も序盤が活かされて巧い!情の加減も程好い良質な『和ファンタジー』で「本当の良さは子供には判るまい!」と思ったほど。似て非なるものだが、恒川幸太郎さんが好きな人には自信をもってオススメできる佳作で、今後も期待できる作家さんだ。2021/08/13

みっちゃん

176
とてもとても良かった。オススメしてくれた読友さんに感謝。じいちゃんの遺した日記の「天狗ニアフ」から始まる少年の不思議な体験。濃密な草木の匂いまで感じられるような山や森の描写。ちょっと屈託を抱えた主人公の揺れ動く心も丁寧に描かれる。前半こそ中々話が進まずもどかしく感じたが、後半は頁を捲る手が止まらず。人間ではいられず、でも天狗にもなれない者の疎外感と孤独。自分は何者なのか。どうすれば受け入れて貰えるのか。迷い、もがいた末に選びとった道。信じること。守るべきもの。「生きる」事に関わる大切なものが詰まっていた。2021/05/04

紫綺

133
いやいやこれは児童書の域を越えている。恒川光太郎さんの幻想的な世界にも、似た感じ。ただし、表紙でかなり損をしていると思う。自然と人間と天狗、また、じいちゃんから孫へのメッセージともとれる摩訶不思議な物語。2014/08/31

mocha

108
じいちゃんの遺したノートから、天狗について調べ始めた小6生の4人。山あいの集落を描いたほのぼのファンタジーだとばかり思っていたら、意外にも濃い。天狗について、山の掟について、みっしりと描かれている。終盤の展開もリアリティがあって、異界は日常のすぐ隣にあるのかもしれないと思わせてくれる。子どもであることのもどかしさがすごく伝わってきた。2016/02/20

はたっぴ

100
読友さんオススメ。一気読みの面白さだった。大学時代、家庭教師をしている時に、山深い一軒家の教え子が「裏山で鬼を見たことがある」と話してくれた。一瞬、夜の真っ黒な森を見ながら(鬼より天狗が出そうだな…)と思ったのだった。彼女が勉強そっちのけで真剣に話すので私も真面目に聞いていたが、この作品を読み、日本にはこういうお伽話が昔から根付いているのだろうと思い至った。祖父が残した意味深な日記をきっかけに話がどんどん膨らんでいき、孫の保が異界(天狗)と繋がるのだが、私が子供だったらこの物語をそのまま信じたと思う。2016/09/13

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