内容説明
政夫が中学生の時、病気がちな母親を手伝うため、二つ年上の従姉・民子が、家に同居していた。政夫と民子は、幼い頃から大の仲良しだった。しかし、世間体を気にする大人たちに二人の仲を注意され、かえって互いを異性として意識しはじめる。ある秋の日、野菊の咲く道で二人は互いの想いを伝え合う。
著者等紹介
城島明彦[ジョウジマアキヒコ]
1946年三重県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。会社員を経て、「けさらんぱさらん」で第62回オール讀物新人賞を受賞し、作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鳩羽
4
読みやすいけれど読みやす過ぎるということもなく、政夫と民子の子供らしい元気で楽しげな関係から、互いに意識し合うようになる繊細な綾、周囲に引き離されるかのような辛さと、一番の不幸が終わったあと、の流れがしみじみと読める。民子が伝聞のかたちでしか、泣いたり苦しんだりしていないことが、綿積みに行った場面が夢のように思い出のなかの頂点として残る。引き離したくせに、周囲が民子を不憫がるのがなんだか余計にやりきれない。2013/06/03
もだんたいむす
3
素晴らしくドキドキとした甘酸っぱく、哀しいお話でした。とりあえず、政夫の母親は糞。2017/06/10
ふぉんだんしょこら
3
切ない…でも良い作品。現代文で読んでも純愛はやっぱり感動する。2014/12/03
patapon
3
読んでよかったです~野菊のような聖子ちゃんを思い出しながら、読みました。純愛、いいなあ。2013/01/13
ミクタイム
2
二人のラストが切なく、なんだかずっと心に残る一冊だった。2013/08/19