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著者等紹介
プリーストリー,クリス[プリーストリー,クリス][Priestley,Chris]
長年、イラストレーター、漫画家として活躍。今もイギリスの新聞にマンガを連載中。2000年に作家としてデビューして以来、子ども向けのノンフィクションや小説を多数発表してきた。2004年には『Death and the Arrow』がエドガー賞ヤングアダルト部門にノミネートされた。ケンブリッジ在住
ロバーツ,デイヴィッド[ロバーツ,デイヴィッド][Roberts,David]
「Dirty Bertie」シリーズなど、数々の絵本を発表しているイラストレーター。ロンドン在住
三辺律子[サンベリツコ]
翻訳家。東京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
252
恩田陸さんの「日曜日は青い蜥蜴」で“すごく怖い”って紹介されていた本。たっ、確かに怖い。悪魔、魔女、幽霊、悪鬼なんかが後ろから迫ってくる。夜読んでいて、後ろで物音がしたり、何かの気配を感じても、絶対に後ろを振り向かないぞ。子供が読んだら、夜一人でトイレに行けなくなること必至。不気味なおじさんの語りと、エドワード・ゴーリーっぽい挿画の怖さにはまって、必死に読み続けます。2021/05/22
KAZOO
147
小学校高学年から中学生向けのホラー連作短篇集です。子供向けとは言うものの大人が読んでいて結構怖さを感じる話もありました。それと表紙や物語にある挿絵がなんとも言えず怖さを増幅している気がします。他の方も書かれていますが私の好きなエドワード・ゴーリーの絵に確かに似ている気がしました。2020/01/07
徒花
130
おもしろかった。遠い親戚であるモンタギューおじさんの家に遊びに行った少年が、おじさんの家にあるさまざまなモノにまつわるエピソードを聞かされる連作短編。児童書のコーナーにあって文字も大きい子ども向けの本だけど、意外と怖いというか、救いのない話ばっかり。大人が読んでも十分おもしろい。最後の最後も気味の悪いダークな終わり方だった。あとはやっぱり挿絵が雰囲気抜群過ぎてステキすぎる。図書館で借りたやつだけど、これは買ってもっておいてもいいレベル。2021/07/05
へくとぱすかる
111
児童文学とはいえ、かなり怖い。しかしそれぞれの「短編」以上に、全体に仕掛けられた枠が怖い。ただし全く救いのない物語ではなく、読み初めに予想していたような結末にはならず、ラストに小さな余韻を残してくれる。それがまた印象深く、たとえば暗闇の中で、小さなロウソクの灯を掲げて帰るような。モンタギューおじさんの家を訪ねたエドガーが、不気味な家の雰囲気の中で、話を聴く。現実の(この物語の枠)が明朝体で、それぞれの「短編」の語られる部分が教科書体で表され、世界の手ざわりの違いを際立たせている。夏の夜の読書によい作品。2023/08/08
ままこ
101
森の奥の古びた洋館。不気味な品物に囲まれた部屋で曰く付きの品物にまつわる様々な怖い話が語られる。我が強い子供の愚かさにつけ込んだ魔の手は容赦ない。独特の奇妙さが魅力の絵や原文の雰囲気を損なわない訳も良い。児童書だと油断してはいけないイギリスの風土を生かした上質ホラー。2021/08/01