内容説明
「信頼」と「裏切り」、「エッチ」と「暴力」、「愛情」と「支配」。かつてないリアルなアプローチで、子どもたちにそのすべてを語る、おどろくべき書。
目次
第1章 お母さん、なんでお父さんと結婚したの?
第2章 お母さん、ぼくたちを産んでよかった?
第3章 お母さん、なんでお父さんと離婚したの?
第4章 お母さん、どうやって離婚したの?
第5章 エッチと暴力
第6章 弱いままで開かれていく世界へ
著者等紹介
綾屋紗月[アヤヤサツキ]
1974年生まれ。4歳時より外界とつながっている感覚が乏しく、「自分は何者なのか」という問いに苦しみ続ける。虚弱で伏せがちな中高時代を過ごし、かといって原因もわからず、うつ浸りな思春期を過ごす。15~16歳のときに教科書が読めなくなり、しばらく登校できなくなる。大学時代は関東聴覚障害学生懇談会にて聴覚障害学生と共に活動しながら、音声で話すことに高いハードルを感じる自分の言葉として手話を習得する。低血圧症、うつ病と、「自分のおかしさ」の原因をみつけたと思っては「やっぱり違う」と思わされることをくり返し、2006年、アスペルガー症候群の存在を知り、診断名をもらう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
51
【共鳴】若い人向けに、このような本を書き記したこと、その勇気に、その真摯な姿勢に、敬意を表します。「弱い」まま、ともに生きたい。<世界と、人と、繋がりたいから、「自立」ではなく、「ともに生きる」ことの困難さとかけがえのなさ>を、画期的な書『発達障害当事者研究』の書き手が贈る、「よりみちパン!セ」シリーズの一書。様々な弱さを抱え、その弱さを曝け出すことができない人たちへ。思い切って、「わたし、こんな風に困ってるんです」と、“弱さと困難”について、誰かに話してみて下さい。そこから、【弱さで広がる世界】が――⇒2021/08/22
空猫
38
思っていた内容と違っていて、その赤裸々な内容(告白)に面食らった。ある女性(発達障害?)のDVの始まり、その辛い過程、そして抜け出すまで。渦中にいると自分が被害者だと分からなくなる恐怖、皆(普通)と違うことの疎外感、悩み苦しみ傷ついて、やっと気づいた「ありのままの自分」で生きて良いのだ、苦しいときは助けを求めても良いのだ、性に関しても自分が嫌だと感じたらイヤがっても良いのだと。YA向けなので、トークショウを聞いているような文章で読みやすいが、内容がメロドラマ程濃厚なので子供が読むとどんな感想になるのかな。2021/09/06
ヒラP@ehon.gohon
21
児童、ヤングアダルトを読者設定した、『よりみちパン!セ』の一冊として手にしたこの本は、大人としてもハードな内容でした。 まず、著者が発達障害当事者である事が、この著作からは受け取れませんでした。 それは、パートナーの破滅的な病気が前面に出てきて、それが離婚のきっかけだったからでしょうか。 このような両親を持った子どもたちの心はどうなのだろうか、暗い気持ちにもなりました。 子どもたちの視点から見たら、この本は衝撃でしょうね。 なんだか、未消化です。2020/08/04
もえたく
16
熊谷晋一郎氏と共に『発達障害当事者研究』を書いた著者が、自分の幼い子供たちに向けて、自分のアスペルガー症候群、元夫のアルコール中毒、DVなどを平易な言葉で赤裸々に語ったノンフィクション。幼い頃から「人とのつながりにくさ」を感じ、絶望的な孤独や苦しみを抱えてきた様がキツすぎますが、一度は読んでおきたいと思わせる内容でした。2018/01/20
mako
13
とっても真っすぐで、正直な思いをつづった内容。幼い子どもたちに向けて、こんな風に自分を語れるなんてすごいなと思う。2024/07/28