内容説明
花の綿毛のように、天使のように、この閉じこめられた世界から飛び出していけたら…小さな穴でつながれた外の世界―ゲットーの少年の美しくも過酷な物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キラ@道北民
24
読友さんオススメで、久しぶりに翻訳本を読みました!YAなので読みやすかったですが、内容は戦時下のワルシャワが舞台だけあって過酷なものでした。語り手の少年が、物心ついた頃には走っていた、パンを盗んでいた状況で、その無知から湧き上がる純粋さに胸が痛みます。2015/12/09
星落秋風五丈原
20
花の綿毛のように、天使のように、この閉じこめられた世界から飛び出していけたら。小さな穴でつながれた外の世界。ゲットーの少年の美しくも過酷な物語。圧倒的な力で人々を押し流す理不尽な時代のうねり。その中で、自分が何者で何のために生きるのかという問いを胸に、必死で走り続ける少年の姿には、いつの時代にも普遍の、生きる事の痛みと希望が集約されている。2006/11/08
Gin&Tonic
15
再読。第二次世界大戦時、ナチス統制下のワルシャワに生きた、記憶を持たない浮浪児の少年が主人公の物語。児童書なので文体は易しいけれども、内容は非常に重苦しく、痛切に胸に迫る。ひたすら無邪気で純粋で、あるがままの現実を受け入れる主人公の在り様が印象的です。すごく心に残る作品でした。2015/01/30
シュシュ
8
ナチス政権下で子どもたちが必死に生きた。ウーリーがジャックブーツになってミーシャを射撃して守った場面がずっと心に残っている。あの時代にこんな子たちがいたんだなあと思うと切ない。2013/07/09
めい
4
天使とメリーゴーランドが幸福の象徴として描かれている。それにより少年のおかれている厳しい状況が際だつ。自分が一体何者なのか、それを決めるのは周りの人なんだなぁと痛感した。2014/11/24