11の声

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784652077313
  • NDC分類 K933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

1924年、黄金期のアメリカ。北部のヴァーモントの片田舎にも、クー・クラックス・クランはやってきた。アフリカ系の少女、ユダヤ系の少女、KKK団員の少年を中心に、平凡な毎日をくらす11人の人々の声を通して、そのとき村で何が起こったのか、何が起ころうとしていたのかが、徐々に明らかになっていく。市井の人々の中にかつて確かにあった、アメリカの良心とは何なのか、人間個々人が持ち合わせている、弱さや強さ、苦悩や迷い、甘さや成長、希望やあかるさを描き出す。当時の資料を調べ尽くして書いた臨場感からか、読みながらそこに自分が居合わせたらどうするだろうかと問いかけてくる作品。11人の語調の豊かな広がりは、詩人訳者の真骨頂。   小学校高学年~中学生

内容説明

1920年代、黄金期のアメリカ小さな町で何が起こり、人々は何を考えたのか普通の人々の中に息づくアメリカの良心とは?KKK団員の少年、アフリカ系の少女、ユダヤ系の少女をめぐって北部の小さな町の11人が語る11の声。

著者等紹介

ヘス,カレン[ヘス,カレン][Hesse,Karen]
米国バルティモアで育つ。メリーランド大学を卒業後、校正者、植字工、ウェイトレス、臨時教員、ホスピスのボランティアなどを経験したのち、若い読者に向けた詩や小説を書きはじめる。『ビリー・ジョーの大地』(理論社)で1998年ニューベリー賞、スコット・オデール賞などを受賞。ヴァーモント州在住

伊藤比呂美[イトウヒロミ]
1955年東京生まれ。詩人、小説家。『ラニーニャ』(新潮社)で1999年野間文芸賞新人賞受賞。訳書の『ビリー・ジョーの大地』(カレン・ヘス著、理論社)で2002年産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。1997年より米国カリフォルニア州在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Roy

22
★★★★☆ 1920年代アメリカ、黄金の20年代。11人の老若男女が人種差別加害者・被害者・傍観者として、それぞれ語り進むのだけど、帯にあるように「失われゆく無垢な魂」を持ったユダヤ人少女の視点が、とりわけ良かった。年を重ねる事でより生じ易くなる、計算とか悪意とか世間体とか抜きにした、多角面からまだ如何様にも見る事が出来る少女の心。人は其処に人がいるから、天使にも悪魔にもなれる。2009/06/12

星落秋風五丈原

10
1920年代、黄金期のアメリカ小さな町で何が起こり、人々は何を考えたのか普通の人々の中に息づくアメリカの良心とは?KKK団員の少年、アフリカ系の少女、ユダヤ系の少女をめぐって北部の小さな町の11人が語る11の声。 1924年、アメリカ、ヴァーモント州。この最北端の州の小さな町にも、「アメリカ出生主義」「プロテスタントの白人優越主義」を掲げたKKKの暗い影がしのびより、大小さまざまな事件がおこりはじめていた。作者カレン・ヘスは、町の住人11人に、心の内を入れ代わり立ち代わり語らせていく。2006/11/14

保山ひャン

3
1920年代アメリカでKKKが台頭してくる顛末を11人の登場人物の語りで描いた本。会話や日記を集めたような体裁をとっている。KKKがいいものだ、と思い込んでしまう落とし穴もわかりやすく書いてあるし、高価な持ち物をもって歩いていたら盗んだと疑われてしまう、とためらう黒人少女のリアリティーも、あっと思わされた。各登場人物が顔写真つきで出てくるあたり、まさに目撃者っぽかった。2016/12/30

3
凄く印象に残る本でした。淡々と語っているのに、心に刺さりました。2015/03/06

くさてる

3
簡単な語り言葉でしか表現できない人々の生活。11人のアメリカ人の言葉を通して、KKKが暗躍した時代のアメリカに暮らす人々の生活の中に潜む闇と温かさを浮かび上がらせる物語。読みやすさに誤魔化されるようにどんどん読み進んでいくうちに、自分も、埃っぽく貧しい人々の生活とその息遣いを体験できるような読後感だった。2012/01/03

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