出版社内容情報
勉強はできない、運動神経もゼロ。何をやってもダメな子ジンコフだけど、彼は学校が大好き。ジンコフの小学校六年間を描く問題作。 小学校高学年~中学生
せつなく不思議であたたかい、これは一つの奇跡の物語です。
ここに一人の少年がいた。名前はジンコフ。小学校1年生。誰よりも学校が大好きで、毎日明るく楽しく過ごしていた。けれど、4年生になったある日、運動会で失敗をしてからみんなから「グズ」と呼ばれるようになり、疎まれる存在になってしまう。それでもジンコフは明るく元気だった。けれど、ある雪の日ちょっとした事件がおこり…。
ジンコフというちっぽけな少年の存在が、読者の中でどんどん大きくなっていきます。さらに彼の家族、先生、とります人々がとても魅力的。ごく身近にありそうな物語で幅広い年齢層にアピールします。
●人と違っていることはいけないの?
●本当に大切なことってなんだろう?
…『スター★ガール』に続いて、スピネッリが優しく語りかけます。
内容説明
そいつはいつも、一番前の席ではりきっていた。そいつは、ものすごく字がヘタだった。で、シールが好きだった。サッカーの試合中はずっと走り回っていた。苦手なくせに。そいつには、ばあさんの友だちがいた。それから、そいつはある雪の日…。これは小さな奇跡の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
25
子供が小さい頃は、 「そういう子なんだよねぇ。」 という一言で済まされる。 ちょっと風変わりな字も。話す時の抑揚も。 走り方が遅いのも。 けれど集団生活が始まると、まず大人達が騒ぎ出す。 「違うことは、いけない事だ。駄目な事だ。」 そんな認識が降ってくる。「なぜ」という理由抜きで。 本書の主人公ジンコフも、幼い頃は笑っていられた。 キリンの帽子をかぶっても、身の毛のよだつ字を書いても。 「おかしな子。でも面白い。」 周囲も一緒に笑っていた。 それが彼の特徴だから、それがジンコフである証拠だから。2003/04/14
そら@真面目にダイエット中
5
ジンコフ(主人公の男の子)は、周りから見たらただのとろい男の子。でも、本人はいつでもハッピーで、自分のペースで楽しくやっている。そんなジンコフの事を、周りのみんなはちっとも理解してくれない。理解してくれないどころか、欝陶しく邪魔な存在だと思っている。でも、そんな普通と違うジンコフの心の豊かさが凄く可愛くて素敵だなと思います。ジンコフの普通とはちょっと違う反応が、面白くて好きです。2008/02/16
Melotte 22
4
他の人とちょっとだけ違う人。その人は、他の人よりちょっとだけ優しすぎたり、他の人よりちょっとだけ頑張りすぎたり。他の人よりちょっとだけ純粋な人。だけど、他の人と同じくらい人生を楽しんで、他の人と同じくらい傷付いて。他の人と同じくらい一生懸命生きている。人ってみんな少しずつ違っている。それは少しも不思議なことじゃない。それは、悲しい物語じゃないし、涙を誘うような物語でもない。どこにでもあるような物語。だけど、とってもしあわせな物語。違いを探すより、同じところを探してみる。それだけでハッピーになれるんだね。2016/07/23
april-cat
4
元のタイトルはLoser(敗者/負け犬)。確かにLoserではタイトルとして陰鬱すぎる、とはいえハッピー・ボーイは欺瞞的もしくは皮肉が効きすぎ。途中で本を置く気にならないほど気持ちがひっぱられるけど、やっぱり辛い本。いうなれば、いまはやりのイヤミスとかイラドルとか、そういうネガティブ系、かなぁ。『スターガール』よりは好きだったけど、すみません、スピネッリとはやはり決定的に合わないと感じた本でした。『アルジャーノン〜』と似てるようで、似てない。2012/10/13
ichi
4
キリンの帽子を被って登校する。なんでも一生懸命な男の子の話。2011/01/25
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- 和書
- 傍若無人剣 春陽文庫