出版社内容情報
一番リアルな5~6歳ころの記憶を中心に、大人になり父を見送り一人で歩き出すまで、詩人工藤直子の形成過程を鮮やかに描き出す。 小学校高学年~中学生
「自分の五感を通した『自分だけの記憶』をできる限り再現してみたい」一番リアルだという五、六歳のころの記憶を中心に、大人になり父を見送り一人で歩き出すまで-その時その時の色や匂いや手触り、空気感まで、とことん描き出す。現在の、詩人/工藤直子がどうやって出来てきたのかを物語る記念碑的エッセイ集。
内容説明
自分の五感を通した「自分だけの記憶」が、人生の物語をつくる。工藤直子最新エッセイ集。
目次
一枚の写真
写真と炎
モーテーギー
父の人さし指
「最初」をさがす
ひざ
どうしよう、のドキドキ
おどるコトバ
「箱根八里」の記憶
天ぷら〔ほか〕
著者等紹介
工藤直子[クドウナオコ]
1935年台湾に生まれる。詩人。子どもの感覚や心、生きものたちの気配などを詩やお話に書き続けている。最近では造形表現のほか舞台での朗読など活動は多岐にわたる。作品に、詩集「てつがくのライオン」(日本児童文学者協会新人賞、理論社)、童話「ともだちは海のにおい」(サンケイ児童出版文化賞)「ともだちは緑のにおい」(芸術選奨文部大臣新人賞、ともに理論社)などがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイランド
27
子供の頃の情景を見事に活写した本と言えば、中勘助の「銀の匙」藤田順子氏の「子供の領分」そして本作が私のベスト3である。詩人工藤直子の言葉のリズムはいかにして育まれたのか。作者の台湾での父との幸福な記憶、引き上げた後の貧困の中の成長。褪せた白黒写真が、痛みや味、におい、湿度が、切なさを伴った心のゆらぎとともに色鮮やかに甦ってくる。改訂前の「とうちゃんと」を若い頃読んでいたのだが、改めて本作に触れ感動した次第。ただ今回は、筆者の息子である松本大洋氏の「Sunny」の哀しさを思い、ちらと複雑な感情がよぎった。2015/05/22
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
3
☆×4.5…私は父親と親しくしたという経験に欠けます。どんなに平面状は普通に見えても「確執」があるのです。二度と元の関係に戻すのはこんなんであろう確執が。なのでこの本を読んでいると本当にうらやましいな、と感じてしまいました。厳しくないじゃないか、と突っ込まれそうですが、著者は一時期母親のいない時代があったので仕方がないのではないでしょうか…とにかく素敵なのは釣りに行っている父親の姿と著者をあやしている姿。本当にいい親御さんだったんだろうなぁ。2013/06/08
ぴょこたん
2
この本から伝わってくるのは「愛情」。 くさいことばだけど、本当なんだもん。 読んでて幸せな気分になれる。 私の勝手な工藤さんの印象は40歳前後のほんわかしてるけど、自分を持った人。 おーなり由子さんみたいな人(でもこれは工藤さんの挿絵を担当した長新太さんのイメージから来るのかも)。 でも実際は、戦前台湾で生まれ、戦後引き揚げ、もんのすごい貧乏を体験して、足がもんもすごいはやかった、けど今は70を目前にした女性だそうな。 そんな人がこんな素敵な文章が書いていたなんて嬉しくなります。 2007/03/28




