出版社内容情報
食事の時間をめぐる人々の悲喜こもごもを、きめこまかな文章でつづる12の物語。少女、OL、老人、猫など様々な視点で描写する。 小学校中学年~中学生
内容説明
季節の彩りを添えた12皿の美味しいショート・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
86
食事する=生きるため。でも、ただ、生きるじゃない。食事を通して心が豊かになっていく…。さらっと読めるけれど、また読みたくなる。今読み終えたのにまたページをめくりたくなる。そんな美味しい話が並んでいる。よかれと思ってやっていることも、本当は大きなお世話だったり。そういうありふれた日常の切りぬきをさらっと表現するあたりが江國ワールドかな。どの物語も好み。点訳したい1冊に出会ってしまった。読後感の良さが感想を書きながら沸き上がってきます。素敵な言葉と共に優しさが込められている感じだな。2014/07/01
mntmt
26
2年前、読んだときとは、いいなと思う章が違った。例えば、おつゆの具が手鞠麩というところに江國香織を感じます。大好きな短編集です。2016/10/07
ゆき
25
江國さんの紡ぐ物語は清潔で肌触りの良い毛布にくるまれているよう。「晴れた空の下で」が特に好きでした。2015/12/17
アコ
25
食事にまつわる12の短篇集。非常に読みやすい。個人的なことを申すとわたしは食事に対してなかなかうるさく神経質だと認める。イヤだなとおもうひとと食事ができないのだから。それくらい食事というものは人生の歓びであり最高に美味しいものを最高の相手と食べることは至福。いろんな意味で食に関心がないひとは魅力がないよね、とも。(食えりゃいい!とかちょっとない笑)そういう意味でこの短篇集は魅力的な食事のシーンが多く幸せな気持ちになれた。江國さんだもん、そうでなくちゃ。わたしのための温かなお皿。用意したいものです。2014/12/31
じゃすぽ
23
江國さんが描く食べものは、すごく美味しそう!とよだれが出るかんじじゃなくて、何気ないのに江國さんがピックアップするからこそスペシャルになる。ほんとにどれも好きだったんだけど、「子供たちの晩餐」と「冬の日、防衛庁で」がよかった。防衛庁って、いまのミッドタウン?「朱塗りの三段重」はいかにも江國香織らしい。2017/11/08