内容説明
まどさんは言う―。「『永遠』というものを言おうとしたとき、どう言えば『永遠』が言えるのか」―と。「どう言っても、どう描いても、言わないこととおなじようなものかもしれないんだけれども…、それでも、言ってみたいと思うんです」―そんな詩人の想いを、画家がうけとめ、一冊の絵本となって届けられた、永遠へとつながる深呼吸…。
著者等紹介
まどみちお[マドミチオ]
1909年、山口県に生まれる。1934年に投稿した詩が北原白秋の選により特選に選ばれる。1951年に書いた「ぞうさん」は日本人に最も愛される童謡のひとつ。1968年にはじめての詩集『てんぷらぴりぴり』(野間児童文芸賞受賞/大日本図書)を刊行。以来100歳を越えた現在まで次々と詩集を刊行し数々の賞を受ける。『まど・みちお全詩集』(理論社)で芸術選奨文部大臣賞のほか多くの賞を受賞。1994年に日本人初の国際アンデルセン賞作家賞受賞
ささめやゆき[ササメヤユキ]
1943年、東京都に生まれる。『ガドルフの百合』(偕成社)で小学館絵画賞受賞。『真幸くあらば』(講談社)で講談社出版文化賞さしえ賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞受賞。銅版画家としては本名の細谷正之(ほそや・まさゆき)で活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
201
どこにでもいるよね、くうき。見えそうで見えないけど、走ったりして苦しくなったりすると感じるんだ、くうき。台風が来たら急いでいるよね、くうき。みんなでわいわいしていても、ひとりで閉じこもっていてもそこにいてくれる、くうき。山のくうきが好きだったり、海のくうきが好きだったり、人それぞれ。この地球をめぐり、みんなひとつのくうきを吸って吐いている。たまに汚れたりするけど風が吹いたらすっきりする。誰もひとり占めできないんだ。どんなに強くてもどんなにお金を持っていても、みんなのため、すべての生き物のためのものだから。2023/11/30
gtn
27
家族の呼気を家族で共有する。そんな行為が、ついこの間までポエムだった。2021/01/27
南
27
地球上の全ての生き物が、同じ『くうき』を吸ったり吐いたりしている。確かに、という発見と清々しい読了感、よい絵本でした。2017/05/13
ひめぴょん
20
空気を通じてすべての生きもののつながりを感じる本。くうきを感じると何か考え方が変わる。くうきについて考えると、まるで知らなかったことに出会ったような気持になる。不思議な気持ちになれる本。こんなことを考える時間をこどものときには持っていた。だんだんこういうことを考えなくなったなあ。2023/12/13
anne@灯れ松明の火
20
隣市で。まどさんの深い詩に心がふるえた。当たり前と言えばそうなのだが、凡人の私には新鮮だった。絵にはしにくいものを描いたささめやさんもすごい。ささめやさんのような絵をヘタウマというのかな。2015/04/22