著者等紹介
椋鳩十[ムクハトジュウ]
1905年、長野県に生まれる。法政大学文学部を卒業後、山の民を主人公とした作品で脚光をあびる。のち児童文学に移り、動物文学の第一線で活躍。1987年没
小泉澄夫[コイズミスミオ]
1942年、神奈川県に生まれる。青山絵画研究所などで修学後、イラストレーターとして活躍。第三十九回新制作協会展、第十二回現代日本美術展、第一回アフリカ自然保護ポスター展などに入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mike
75
小学生の頃に夢中で読んだ椋鳩十の話。厳しい自然界で生きる動物の知恵、愛情、勇気が余すこと無く描かれていた。私が今でも時々生き物の本を手に取りたくなるのはここが原点かもしれない。教科書にも掲載されていた表題作。雁を仕留めようとあれこれ策を練る大造と、群れを率いる残雪と呼ばれる雁の話。この残雪が鳥ということを忘れるほどにカッコよくて惚れてしまう。だから大造も忌々しいと思っていた気持ちがいつしか畏敬の念を抱くようになるのだ。今読んで一層輝きを増すこの物語。次に読む「リラの花咲く」に登場するらしい。2023/10/16
のり
18
教科書に載っていた、表題の「大造じいさんとガン」やっぱり胸にくる話。頭のいい雁の残雪とじいさんの知恵比べではなく、食糧を狩る立場だった目線が、残雪の、ハヤブサにも人間にも立ち向かい、仲間を助ける姿に、生き物の尊厳認め、傷の手当をしてあげるなんて素晴らしい。シートン動物記の狼王ロボに通じるようだ。椋鳩十さんの動物を描く物語は愛を感じる。2024/03/10
lovemys
8
突然読みたくなり、久しぶりに椋鳩十さんを読んでみました。人間にも動物にも優しい椋鳩十さんが好きです。鳥の話ばかり集めた本。「月、日、星」となく鳥を初めて知りました。椋さんは、お父様からこの鳥の話を聞いて、実際に見てみたいと憧れたとのこと。それを読んで、ネットで調べて鳴き声まで聞いてしまった私。あまりの情緒のない自分の行いに、自分で呆れた。この本に出てきた鳥たちに、いつか自然で出会えることを楽しみにしようと思った。自然から得られる感動を伝える椋さんの本。続きも読んで、その感動をお裾分けしてもらおうと思う。2022/05/04
わむう
6
登録もれ。
うさこ
5
『リラの花咲くけものみち』の登場人物の名前が小学校の教科書にも載る『大造じいさんとガン』から取られたとあって、そういえば椋鳩十は名前が面白いから名前だけは知っていたけれど読んだことはないな、と手にしてみた。鳥のお話7編が入った椋鳩十名作選。優しい語り口とぴったりな挿絵も相まって、日本の原風景のような郷愁あふれる、鳥への目線が優しくかわいらしいお話集でした。2024/02/05