内容説明
インターネットの秘密の掲示板「デビルズドリーム」はアキとトモネちゃんだけの秘密の場所。そこではふだん学校では言えない本音も言える。でも…。
著者等紹介
長谷川集平[ハセガワシュウヘイ]
1955年兵庫県姫路市生まれ。武蔵野美術大学中退。1976年第3回創作えほん新人賞を受賞した『はせがわくんきらいや』でデビュー。1990年『見えない絵本』(理論社)で赤い鳥文学賞、1992年『石とダイヤモンド』(講談社)『鉛筆デッサン小池さん』(筑摩書房)二作で路傍の石文学賞を受賞。1991年より長崎市在住
前田秀信[マエダヒデノブ]
1949年長崎県南高来郡瑞穂町生まれ。東京デザイナー学院卒業。グラフィックデザイナーを経てイラストレーターとなる。長崎新聞にて「長崎百景」などを連載。日本の風景の中のこどもを描く。長崎市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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せっか
2
「お父さんの葉書の雨に濡れたブルーブラックインクの「美しかった」という・・・」2019/02/05
遠い日
1
長崎に魅せられ、彼の地に住むようになった長谷川さんの、これは長崎への祈りであり託すべき希望の物語。作品の中には、現代の子どもを取りまく厳しい現実が渦巻いている。アキに託した様々な問題は一つ一つの根が深く、絡まりあっている。友情、いじめ、親の離婚、戦争、歴史、信仰……アキの心の中でだれかがいつも問いかける「ホントにそうかい?」ということばが、アキの不安定な心を物語る。トモネをとおして知った信仰のあり方や神の目。現代と過去が折り重なる長崎を、アキの目で描きアキのことばで語ったところに真実の手応えがあった。2007/12/06
きくまる
1
長谷川集平さん原作の本。活字の色がブルーブラック?で、雰囲気があってよかったです。小学生の女の子が、両親の離婚、学校の不満等をぶちまけるネット上の掲示板の書き込みを通して、自分の中の危険な欲望に気づき、それに対抗する神の声、 理性の声に気づき、自らネットの世界を離れ、現実の世界をしっかり生きていく。当時実際に起きた児童殺傷事件も絡め、現代人の心の闇を描いている意欲作で読み応えありなのですが、ちょっと内容がてんこ盛りすぎてしまった感があるかなあ。宗教がなければ救われないのかなあという気持ちも残ったかな。2011/08/09
雨巫女
1
今の社会問題が、凝縮したストーリーで、期待以上でした。2010/04/07
しげ
0
両親の離婚をきっかけに長崎へ引っ越してきた小学生の女の子が主人公。キリシタン弾圧や原爆、佐世保女児殺傷事件など、長崎で起きた出来事から「生」を掘り下げていく物語でした。ちょっと盛り込みすぎな感じもしましたが…。主人公の「誰も見ていないから悪いことをしても平気」という考え方と、キリシタンの友人の「神さまが見ているから悪いことをするのはやめよう」という考え方の違いが、興味深かったです。2012/06/17