内容説明
「声…、だれの?」「だれだか、わかりません…」不思議な歌声が、こそあどの森をながれていく…。この森でもなければ、その森でもない。あの森でもなければ、どの森でもない。こそあどの森、こそあどの森。
著者等紹介
岡田淳[オカダジュン]
1947年兵庫県に生まれる。神戸大学教育学部美術科を卒業、西宮市内で教師をつとめる。1981年『放課後の時間割』で日本児童文学者協会新人賞。1984年『雨やどりはすべり台の下で』で産経児童出版文化賞。1987年『学校ウサギをつかまえろ』で日本児童文学者協会賞。1988年『扉のむこうの物語』で赤い鳥文学賞。1991年『星モグラサンジの伝説』でサンケイ児童出版文化賞推薦。1995年『こそあどの森の物語』1~3の三作品で野間児童文芸賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
66
10冊目。なぞの歌声(?)にひかれて、森の子どもたちがいなくなる。大人たちが探しにでかけるが、彼らもまた……。日頃、音楽というものを当然のように聴いている私たちだが、森の住人たちにとっては、素朴なものにこそ安らぎを覚えるのだろう。こそあどの森は、現実の世界では求めようもない場所だし、住む人々も。だからこそ人気があるのだろう。シンプルな美しいお話。2019/07/20
ひめか*
29
森から聞こえてくる不思議な歌声にのせられて、スキッパーは森に向かう。でも後をついてきた双子と一緒に穴に落ちてしまう。その歌声はみんなを気持ちよくさせ、それぞれにみたい夢を見させてくれる歌声だった。助けようとした大人たちも次から次へと穴の中で夢見心地な気分に。トワイエさんがしっかりしてくれて良かった。「美しいものは危険」ってスミレさんまた良いこと言う。それぞれに自分の中に密かに秘めた何かを幻として見たのかもしれない。麻薬のような怖さがあるけど、幻想を見たことによってそれぞれ何か気づきを得られるラストで好き。2020/07/05
くぅ
28
トワイエさんはなんだかんだ頼りになるし、スミレさんはしっかりしているように見えてここ一番外しちゃうイメージが定着。そしてやっぱりトマトさんが最強な気がする。ともかく皆んな無事でよかった!2021/10/08
カール
24
今回はちょっと不思議でハラハラするお話でした。謎の声の正体はいったい何だったのか、読み終えた今もまだ分かりません。でも、自然の中にははっきりとは分からない事もたくさんあるから、これはこのままでいいのかな。それぞれが見た不思議な世界は、それぞれが望むものなのでしょうね。2017/07/26
七月せら
22
森の奥深くどこからか聞こえてくる不思議な歌と音楽。とても美しくずっと聴いていたいようで、仄かに危険な香りもする。バーバさんならどうするかを考えて行動したスキッパー、結果はどうあれ立派でした。子ども達のうっかりをどうにかするのが大人達の役目。それぞれの力を出し合って困難を解決していくのがとても良かったです。自然の生み出す壮麗な神秘と、もっと大きな得体の知れない何某かの畏怖を感じました。2020/07/14