内容説明
男と女、老いること、孤独、人種差別―。複雑な現代社会で自己を見つめて力強く生きる術を、アメリカを代表する黒人女性詩人が語る。
目次
官能の歌
母の愛は自由をもたらす
芸術は精神の糧
貧しいのはお嫌い?
年をとるということ
老いと性
暴力に対処する法
家に傷つき、癒され
アフリカを知っていますか?
名声って難しい〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
21
1928年に生まれ、2014年に亡くなったアメリカの黒人詩人、作家、歌手、女優のマヤ・アンジェロウによるエッセイ。8歳の時母の愛人に性的暴行を受け、17歳で同世代の少年の子供を産んで未婚の母となり、その後子供を抱えて様々な職を転々とした彼女は、キング牧師と共に公民権運動に参加する闘士となり、大統領の前で詩を読み、全米の人が知る黒人女性詩人となった。長く虐げられてきた中で逞しく生きてきた女性であること、黒人であることを心から誇りにし、パワフルでありながら繊細な心の持ち主である彼女は、非常に魅力的である。2020/09/11
じょうこ
8
ガーナを舞台にした写真絵本『ぼくはまほうつかい』で作者のマヤ・アンジェロウを知った。文章がドローンのように、上空を気持ちよく舞い、情景を描き、感情を動かす。そして、スカッとする。いじいじしていない。で本書を読んでみることに。「官能の歌」を巻頭に20編のエッセイは、絵本で感じた予感を裏切らず、黒人を女性をアフリカを人生を描く。繊細で豪快。心は広く、やさしい。こういう女性の書き手はなかなかいないように思う。翻訳は香咲弥須子さん。作家の声が聞こえてくるような翻訳でした。2021/09/03
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- 和書
- 救う男たち 〈2〉