内容説明
本書は、一八〇〇年前後に行われた美学、超越論哲学と思弁、宗教、文学と政治をめぐる論争を、部分的にではあれ再構成し、個人、あるいはその一つの著作という枠を超えて、それらの前提となっていた問題連関、そしてそれらによって生み出された問題連関に、再びまなざしを向けることを試みた。
目次
アプリオリな総合―一七八一年から一八一七年の間の第一哲学について
ヘルダーと形而上学
ブーターヴェクの論証法の構想
フリードリヒ・シュレーゲルの超越論哲学講義
ヤコービの「フィヒテ宛」書簡(一七九九年)
C.L.ラインホルトの「体系転換」―J.G.フィヒテとの対決のなかで果たされた、知識学からバルディーリの合理的実在論への転換
感情と反省―超越論哲学に対するシュライエルマッハーの態度‐カントおよびフィヒテに対する同時代の批判の文脈の中で
シェリングの超越論的観念論における思弁的アプローチ―超越論哲学の観点におけるシェリングの超越論哲学と自然哲学をめぐる闘い
思弁的観念論の成立―一八〇〇年から一八〇一年の間に生じたシェリングとヘーゲルの変化〔ほか〕
著者等紹介
イェシュケ,ヴァルター[Jaeschke,Walter]
1945年生。ボーフム大学教授。『Vernunft in der Religion』(1986年)
藤田正勝[フジタマサカツ]
1949生。京都大学教授。『若きヘーゲル』(創文社、1986年)
高山守[タカヤママモル]
1948年生。京都大学教授。『シェリング ポスト「私」の哲学』(理想社 1996年)
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