内容説明
現代の多くの哲学的問題がカント哲学から発現しているにしても、カント哲学の中にそのすべての解答を見いだすことはできないのであり、ましてやカントのテクストは「聖書」ではない。本書は、ある意味ではこれまでのカント研究に対して根本的な見直しをせまるものである。
目次
第4章 意志と行為(行為と作用;解釈の作業仮説としての自由な行為―カントの規範的行為論に寄せて ほか)
第5章 倫理と共同体(責任倫理(学)としての討議倫理(学)―カント倫理学のポスト形而上学的変換
カントの実践哲学における独我論と討議倫理学 ほか)
第6章 政治と法・権利(カントにおける正義と刑罰正義;実地の法論―カントの政治概念 ほか)
第7章 美学と文化(自然に対する感受性―カントの美の哲学における趣味判断と解釈との関係について;体系構制、説得力、重要性―カントの「快・不快の原理」および「関心を欠いた満足感」という構想 ほか)
著者等紹介
シェーンリッヒ,ゲアハルト[Sch¨onrich,Gerhard]
1951年生。ドレスデン工科大学教授。“Bei Gelegenheit Diskurs”(1994)
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