内容説明
“明快な妄想”“馬鹿げた努力”という言葉を創り、それを好む。勝手なことをしてきているので、はっきりとした夢を持つこと、他人の何倍もの努力をすることが必要なのである。努力というのは面白い。努力して何かが完成するという保証など何もない。物事は頑張れば出来るなどということではないからである。ただ、目標に向かって絶え間なく進む。そこに楽しみが見出せる。無手勝流、超俗の文化人類学者半生記。
目次
どこから来てどこへ行くのやら
焼け野原に鐘が鳴る
野良猫になった少年
小さな出会い、大きな出会い
猫少年、オリンピックをめざす
驚異の“二重時間割”編み出す
芸術論は新宿飲み屋街で
シュールレアリスムの女たち
たくましき夜の芸術家
アフリカ大陸縦断隊結成される〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふうふう
5
★★★★☆ 「外国語を勉強しすぎて死んだやつはいない」「明快な妄想」「馬鹿げた努力」中国語を勉強していて、日本語の漢字も中国語の発音になってしまい、日本語の音読が下手になった。ソマリアの砂漠の体験。フルブライト奨学生の毎日。久しぶりに、わくわくできました。学ぶことって、最大の娯楽やね。2020/09/27
Humbaba
4
夢を持つこと.それは,人生における非常に強い武器を持つことと同義である.周囲からどのような目で見られようとも,それを跳ね返して自分の夢のために邁進する.その中で見いだせた楽しみというのは,何よりも貴いものであるだろう.2012/03/03
パヤパヤ
2
むかし教わった稀代の文化人類学の西江先生は姿勢が良く長身でいう事言うこと名言ばかりでノートのとりようもない程だった。ソマリア経由のクレオール学者はさすがに凄まじい興味(虫や猫になりたい)視点、体験の持ち主。それらすべてをさらりと述べてどんどん進んでいく。ちょうどあの頃戸山でスタスタ歩いておられたように。生け簀としての社会で、極めて稀有な存在。ああ、いよいよあやかりたい.2011/11/08
Като́н
1
黒田龍之介の本か何かで紹介されていて興味を持ったので読んでみた。尻切れトンボで終わったが途中に挟まれる著者の人生観やら哲学、世の中の捉え方は結構面白い。二重時間割いいね、参考にして会社にいる間だけロシア語やろうかな笑。あと高野秀行の数十年前にソマリアを単独行したのはサラッと書いてあるがかなり偉業だ。日本人初では?ソマリアの無文字社会における政治集会の描写も面白い。話し言葉は同じでも出身地ごとに異なる書き言葉を使ってメモを取る、あるものは英語であるものは仏語、アラビア語、スワヒリ語といった具合、植民地の悲劇2021/12/22
amorlibresco
0
本を整理していて手に取ってしまったのが運の尽き。再読。全部は読まなかったけど、ざっと半分ぐらいはまた読んでしまった。何度読んでもおもしろい。いやおもしろすぎる。 この本は後に『わたしは猫になりたかった――“裸足の文化人類学者”半生記』と改題されて新潮OH!文庫(変な名前)に入った(が、それもすでに絶版らしい)。2012/02/28