内容説明
「××してみたい」。美しい思春期の中年のささやかな欲望の数々。豪華で危険なエッセー集。
目次
1 思春期の中年(オスカー・ワイルドのような中年になりたい;毎日一本シャンパンを飲みたい ほか)
2 旅する変態(手ブラで旅に出てみたい;ラスベガスへ行ってみたい ほか)
3 思春期の中年列伝(ヒコクミンになりたい;人呼んで、最後の作家 ほか)
4 趣味の退廃(ピアノで詩を書いてみたい;脳を音楽漬けにしてしまいたい ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青豆
6
「永遠の青二才」島田雅彦による美しい思春期真っ只中の中年男性の様々な欲望を描いたエッセイ集。「退廃」をテーマに自嘲気味に描かれる島田雅彦の日常やオペラに対する並々ならぬ情熱、世界各国を放浪した際の思い出など盛り沢山の内容で読み応えがあり面白い。個人的に好きなのは悪趣味としての女装と、自虐的なあとがき。しかし尾籠な話でも文章に品位を損なわずにいるのはさすが純文学作家。文壇の貴公子は伊達じゃない2014/04/14
いのふみ
5
島田雅彦はやはりズルい。「仕事で女装したったぜ」「海外でこんなことしたったぜ」「文学史の作家たちの家行ったり、呑んだりしたぜ」みたいな話(自慢?)を語ったと思ったら、硬質で読み応えがありユーモアもある文芸批評や「近代文学を葬りたかった」ウブな文学青年を見せたりする。いかにも言葉が巧みな人である。その言葉たちに心躍らされ、不思議に表現欲まで搔き立てられたりしながら、ちょっと……嫉妬する。三十代にして落ち着かない、存在そのものが既存の文学にケンカを売っている、そんな魅惑のエッセイ集。2016/04/08
寝屋川
1
「退廃を極めることは、コンビニを活用することの対極にならなければならない」2023/10/27
etupirka
1
人間、年をとるとこんなことを考えて(本にして)しまうのかーと思った。避けられない「老」と「死」に、悲しい気持ちになる。2009/05/01