内容説明
軽石層の中からよみがえった日本で初めての古墳時代のムラの景観と生活。
目次
第1章 軽石噴火で埋まったムラを掘る(遺跡の発見;コンニャクと地下レーダー探査;火山災害の実態;軽石の中からあらわれた古代のムラ)
第2部 黒井峯のムラを生んだ毛野の古墳文化(黒井峯遺跡をとりまく歴史環境;古墳にみる毛野の発展;保渡田古墳群と上毛野の形成;上毛野の前方後円墳の発展)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
15
前回の大噴火から30年ほどたった6世紀中盤のある春の日、榛名山の大噴火によってあっという間に軽石の下に埋められた古墳時代の村。それが黒井峯遺跡。「日本のポンペイ」という表現はまったく大袈裟ではない。この本の内容を、より多くの人にわかりやすく伝える工夫はまだまだいくらでもできるはず https://twitter.com/bamboo4031/status/15464707422794752002023/04/30
A.Sakurai
3
1986年元旦に「日本のポンペイ」と新聞報道されて有名になった黒井峯遺跡の発掘状況と成果の解説と,後半分では背景となる上毛野地域の古墳時代概説をあわせた一般書.6世紀なかばに榛名山噴火での軽石で一挙に2mも埋もれたので,家は立ったまま,畑は耕されたまま残ったので,異様に詳細な当時の生活環境が分かった.これ以後の研究では頻繁にその成果が使われている.前半の遺跡の解説では,その細かい部分が述べられていて,ムラの景色が見えてくるようだ.実際に現地に行ってみると埋め戻されて小高い丘の上の広大な野原になっている.2025/04/19