内容説明
きっかけとなった“4日天下”は偶発的か、計画的か。イズベスチヤ紙社会部長が改革派勝利の内幕を解明。
目次
1 クーデター劇の主役たち
2 ホワイトハウスを守れ
3 軍部―国民に発砲するな
4 クーデター司令部となったKGB
5 クーデターが必要だった共産党
6 グラスノスチの役割
7 ゴルバチョフ救出作戦
8 クーデター捜査
9 ソ連を襲った悲劇
8月クーデターの4日間
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jj
4
92年刊(原著91年11月)。12月ソ連崩壊直前の著作。91年8月に起きたソ連共産党による反自由主義クーデター:8月革命。KGBが裏で糸を引き、当時連邦大統領であったゴルバチョフがクリミアの別荘で3日間軟禁されたのは有名。クーデター失敗により、自由主義移行に対する反対勢力の一掃、連邦国家の独立、ロシア共和国大統領エリツィンの大躍進。そして、同年12月のソ連崩壊に大きく影響した。旧ソ連一流ジャーナリストによる、8月革命の速報版著作。生々しい当事者インタビューも多く、当時を知る貴重な資料的な側面あり。2019/12/31
tomfeb
1
なぜソ連が崩壊したのかという疑問から本書を手に取る。クーデターを起こした守旧派は世論が理解できておらず、クーデター首脳部の能力にも不足があった。兵士に世論に同調する向きがあったから守旧派が掌握したはずの軍も機能しなかった。ゴルバチョフが軟禁されている間、クーデターに毅然として対峙したのはロシア大統領のエリツィンだと国民は考えたから、ソ連大統領の権威は落ちた。クーデターに怯える構成諸国はソ連から離脱していく。エリツィンは本音では崩壊を望まなかっただろうが、ロシアの大統領である手前離脱を止められなかった。2017/03/27
-
- 和書
- マーゴット