内容説明
ヤルタ・ポツダム会談から米ソ・デタント交渉まで、戦後世界の外交をリードしてきた外交歴半世紀のベテラン、元ソ連外相・前国家元首が明かす重大事件の裏側、各国政治家人物論。国際政治史に欠かすことのできない稀有の記録。
目次
１ 人生のスタート
２ 革命の波に揺られて
３ 開戦前夜
４ 大戦下の駐米大使
５ アメリカ文化
６ テヘラン、ヤルタ会談
７ ポツダム会談
８ 国際連合の創設
９ 軍拡競争
１０ イギリスとイギリス人
１１ 冷戦のまっ只中で
１２ 欧州問題１―フランスとドイツ
１３ 欧州問題２―同盟と中立
１４ 友人と隣人
１５ アジアとアフリカ
１６ 中東の十字路
１７ ニクソンからレーガンまでの米ソ関係
１８ 外交官たち
１９ レーニンのたいまつを掲げる党
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワーテル
2
末尾より 「人生を始めたばかりの若者にアドバイスをとよく聞かれる。常にこういうことを言うようにしてる。「勉強することを学びなさい。」誰でも読み書きできる現代において、さらに情報の洪水の中で、正しいことを選択する能力が必要である。社会に奉仕すべき生涯を送ろうと思ったならばそうすべきだ。」 2025/01/25
たけふじ
2
957-85年にソ連外相を務めたグロムイコの回想録。1970年の西独とのモスクワ条約締結についての考察が興味深い。「（東西独の国境について）最終的な国境画定を将来に委ねようとした。（中略）結局は、西独は歴史的正義の論理に逆らい通すことはできなかった。彼らはその主張を撤回し、ソ連最高会議宛の書簡を出すにとどめた」(p310)。日本政府も、北方領土問題について同じ手法を取っている。56年日ソ共同宣言では「平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本へ引き渡す」としており、択捉と国後は書簡に置かれただけだ。2019/12/27
bayashi
1
第二次大戦から８０年代までソ連外交の第一線にいた人物の回顧録。冷戦を勉強すると西側の政治家や歴史家の著作に頼りがちになるが、ソ連側の意見を垣間見るには役立った。世界中の政治家の観察もおもしろい。2010/12/29
