出版社内容情報
徳川幕府は旧態を脱しきれずに薩長の志士によって倒され、明治の新政府は開明政策を推進して中央集権の統一国家を建設した――という日本近代の建国神話はどのようにして生み出されたのか。「討幕」と「開国」、「大政奉還」と「版籍奉還」など、名づけに込められた意味を踏まえて建国神話を解体し、19世紀変革の真相をとらえなおす注目の書。
【目次】
誤解の契機はふたつ―プロローグ
慶応三年に何が起きたか
「討幕」とは?
徳川家の立場と扱い
大名をなくす
開国の真相
井伊直弼は「開国」論者ではない
天子統仁の攘夷
「攘夷」の正体
条約の勅許
版籍奉還こそ画期
版籍奉還と公議
大名家の解消と藩の設置
廃藩置県は人事異動
武士が消える
ある京都留守居の御一新
新潟県士族として
公債証書の交付
散るや万朶の桜花―エピローグ
あとがき
参考文献



