出版社内容情報
日本列島の各地に築かれ、現在も圧倒的な存在感を示す前方後円墳。もし前方後円墳がなければ、その後の日本史の流れは大きく変わり、現在の日本国はおそらくなかった。「差異化の装置」「同一性保証の装置」「権力資源の複合媒体」として機能した前方後円墳のメカニズムを復元し、日本古代国家の誕生にはたした決定的な役割を解明する。
内容説明
前方後円墳とは何であったのか?前方後円墳がなければ、後の日本国はおそらくなかった。造れば造るほど社会の格差が広がる「差異化の装置」であった前方後円墳が古代国家形成にはたした役割を多面的に解明する。
目次
前方後円墳はなぜ造られたのか―プロローグ
前方後円墳の世界
歴史的意義を求めて
装置としての前方後円墳
階層秩序を探る
被葬者は誰か
前方後円墳なかりせば―エピローグ
著者等紹介
下垣仁志[シモガキヒトシ]
1975年、東京都に生まれる。現在、京都大学大学院文学研究科教授、文学博士(京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
2
造営時期と分布:弥生末期 古墳時代 畿内集中 地域差 大王墓 墳丘形状と特徴:前方部 後円部 鍵穴形 複合構造 巨大規模 政治的機能:権力象徴 支配装置 国家形成 序列可視化 領域主張 社会的役割:共同体結束 社会動員 儀礼空間 同一性保証 祖先崇拝 宗教・祭祀:死後観念 葬送儀礼 祭祀継承 聖域形成 神格化 考古資料と文献:出土品 副葬品 銅鏡 装飾品 文献整合 研究と方法論:考古学 文献史学 峻別派 総合派 分析深化 変遷と消滅:墳墓縮小 地域文化変容 社会変革 中央集権 終焉期2025/03/30
ナオ
1
前方後円墳は権力者と民衆、権力者同士の格差を増幅する装置であった、ということか。2025/03/03