出版社内容情報
縄文土器の中には、目に見えない情報が埋め込まれていた―。X線を用い、土器作成時の胎土へ混入されたタネやムシの痕跡を検出する新たな研究手法を提唱。それを実施するための機器や作業手順、技能などを検証しつつ、土器内部から発見された資料をもとに植物栽培や害虫発生の過程を分析する。縄文人の暮らしや、植物・昆虫に対する意識を探り出す。
内容説明
縄文土器の中には、目に見えない情報が埋め込まれていた―。X線を用い、土器作成時の胎土へ混入されたタネやムシの痕跡を検出する新たな研究手法を提唱。それを実施するための機器や作業手順、技能などを検証しつつ、土器内部から発見された資料をもとに植物栽培や害虫発生の過程を分析する。縄文人の暮らしや、植物・昆虫に対する意識を探り出す。
目次
1部 土器圧痕の特質と分析法の革新(土器圧痕法とその意義;圧痕法のイノベーション;種実圧痕の考古学資料としての特性)
2部 レプリカ法が明らかにしてきた世界(東アジアの新石器時代から見た縄文時代の植物利用;縄文時代の環境変動と植物利用戦略;植物考古学から見た九州縄文後期晩期農耕論の課題)
3部 X線で見えてきた栽培植物への祈り(エゴマを混入した土器;表出圧痕と潜在圧痕の比較研究―富山市平岡遺跡での検証;X線CTが明かす縄文時代栽培植物の起源)
4部 コクゾウムシと家屋害虫(ヨーロッパ・地中海地域における昆虫考古学研究;土器圧痕として検出された昆虫と害虫;縄文人の家に住みついたゴキブリとその起源;害虫と食糧貯蔵;縄文のミステリー―コクゾウムシ入りの土器の発見とその意義)
5部 圧痕法の現在と未来(マメからクリへ―圧痕法が語る縄文時代の果樹栽培;X線が明らかにする縄文人の心象)
著者等紹介
小畑弘己[オバタヒロキ]
1959年長崎県に生まれる。1982年熊本大学法文学部史学科卒業。現在、熊本大学大学院人文社会科学研究部教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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