出版社内容情報
近代を生きた人びとは、どのような「境界」を越え、その先でいかなる世界を目にしたのか。日本を訪れた中国人留学生や植民地の修学旅行生、朝鮮に出漁した漁師、捕虜の強制労働と現代の交流、中国のお雇い外国人たちを検証し、越境する人びとの経験から近代を問う。彼らの抱えていた葛藤や切り拓こうとした未来に迫り、国際的な往来の意味を考える一冊。
【目次】
はじめに―いま国際的な往来の意味を考える―…吉井文美
いま、なぜ総合展示第五室(近代)のリニューアルが求められるのだろうか?―〈境界〉という視点によせて―…大串潤児
Ⅰ 往来するさまざまな人びとの〈学ぶ・働く・記憶をつむぐ〉
一 留学を通してみる近代の日中・米中関係─越境と文化―…村田雄二郎
二 海を渡った日本の漁師―初期朝鮮海出漁における朝鮮住民との接触―…松田睦彦
三 一九三〇年代における朝鮮から日本内地への修学旅行…樋浦郷子
四 平岡ダムの建設と満島捕虜収容所―地域史の観点から―…原 英章
五 中国海関の外国人職員とその経験―「国際行政機関」に務めた人びと―…吉井文美
Ⅱ パネル・ディスカッション 境界を往来した人びとをめぐって
Ⅲ 展示資料をどう見るか
横浜新港埠頭模型―世界へとつながる近代日本の玄関口―…賀 申杰
近畿を中心とせる名勝交通鳥瞰図―帝国を眺める―…吉井文美
扇子 急応収回之旅大形勢図―反日の声の高まり―…吉井文美
満鉄ポスター「玉の頭飾りの女性」(復元複製)―満洲への誘い―…吉井文美
白蝶貝・白蝶貝からできたボタン―南の海への出漁―…松田睦彦
チョウセン(複製)―帝国内の人と文化の移動―…松田睦彦
カムチャッカサーモンと北海道・カラフト産カニの缶詰ラベル―一つの缶詰からみえてくる世界―…大串潤児
清国輸出日本水産図説―重要輸出品目としての水産加工品―…松田睦彦
三中井百貨店絵葉書と丁子屋百貨店絵葉書―百貨店からみる植民地都市「京城」(ソウル)―…樋浦郷子
「衡平運動」(『愛国新聞』第二〇号)と『水平宣言』広告―二つの解放運動の交錯―…佐川享平
北海道農民の視た凶作地― 農村の危機・冷害・凶作をみつめた農民たち―…大串潤児
近代展示を考える〈近現代史展示論の現在〉
歴史系博物館と近現代史展示…小山 亮
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