出版社内容情報
四日市ぜんそくや水俣病など、1960年代の社会問題であった公害をめぐる裁判から長い年月が過ぎ、当時の記憶を未来へどう継承していくかは大きな課題となっている。公害の記録や資料を整理・保管・展示する「公害アーカイブズ」を提唱し、意義と可能性を追究。大学の公害資料館の取り組みにも言及し、アーカイブズ活動の重要性を説く注目の書。
【目次】
はじめに―今なぜ「公害アーカイブズ」なのか
第1章 「公害アーカイブズ」研究の射程
はじめに
1 「公害アーカイブズ」とは何か
2 「公害アーカイブズ」研究が対象とするもの
3 「公害アーカイブズ」研究の個別テーマをめぐって
おわりに
第2章 近現代日本の公害史研究と公害資料
はじめに
1 公害史研究の成果と課題
2 公害資料をめぐる現状と展望
おわりに
コラム1 公害資料館ネットワークと公害資料
第3章 公害の記憶・経験の継承と公害資料
はじめに―アーカイブズとしての公害資料
1 公害資料の所在状況調査からみえてきたこと
2 公害資料の管理をめぐる論点
おわりに―アーカイブズとしての公害資料館
コラム2 公害資料の解釈をめぐって
第4章 地域社会にとっての公害資料館
はじめに
1 公害資料館とは何か
2 地域社会における公害資料館の意義
おわりに―「対話の場」としての公害資料館
コラム3 「薬害資料館」設立の必要性
第5章 大学のなかの公害資料館―法政大学・環境アーカイブズを事例として
はじめに
1 環境アーカイブズの組織化とその活動
2 環境アーカイブズの意義
おわりに―大学アーカイブズの視点からみた公害資料館
コラム4 大学史資料のなかの公害資料
おわりに―「公害アーカイブズ」がもたらすものとは
あとがき
初出一覧
索引