出版社内容情報
京都市内の地下には、建都1200年に及ぶ平安京の遺跡が今なお数多く眠っている。膨大な発掘調査の成果をもとに、都の全体像をはじめ内裏や役所、貴族の邸宅、寺院などの位置と構造を復元し、豊富なカラー図版を交えてわかりやすく解説。いにしえの大都市の空間とスケールを実感できる。著者自ら描く臨場感あふれるイラストが平安の都へと誘う。
内容説明
京都市内の地下には平安京の遺跡が数多く眠っている。発掘調査の成果をもとに、都の全体像や内裏、貴族の邸宅、寺院などを豊富なカラー図版を交えて復元。著者自ら描く臨場感あふれるイラストが平安の都へと誘う。
目次
プロローグ 平安京とその保護
1 長岡京跡
2 平安京とその構造
3 平安宮(大内裏)
4 平安京の邸宅跡
5 平安京の表玄関
6 平安京郊外の寺院と離宮、別業
7 平安京周辺の山林寺院
8 平安京跡周知への歩み
9 「源氏物語ゆかりの地」ほか平安京関係遺跡顕彰施設
著者等紹介
梶川敏夫[カジカワトシオ]
1949年京都府に生まれる。1972年立命館大学理工学部基礎工学科卒業。元京都市文化財保護課課長、京都市考古資料館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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旅するランナー
187
発掘調査の成果として平安京が可視化され、当時の栄華に想いを馳せることができます。平安宮が現在の二条城の北西辺りにあり、思っていたよりも西寄りに位置しています。現存しない四円寺·六勝寺·鳥羽離宮·山林寺院などもあり、規模の大きさに驚きます。また、2007年から翌年にかけて設置された、「源氏物語ゆかりの地」説明板71箇所の一覧もあり、「源氏物語」「光る君へ」の解像度が上がりそうです。2024/12/01
yyrn
22
国を治め、天皇の威光を内外に示すために、8世紀末に作られた都「平安京」。その荘厳さを(飛び飛びで行われる)遺跡発掘調査で得られた知見をつなぎ合わせ、一部想像も交えながら、研究者が自ら描いた多数の、素晴らしい鳥観図で街並みや寺院の伽藍、羅城門なども再現してくれるので、素人にも当時の平安京の姿が良く分かる中型本で、なかなかに読み応えのある本だった。▼遷都前の京都盆地は多数の中小河川が流れ込む原野だったと解説しているが、埋め立てや条坊造成時の土砂は、いったいどこから運んできたのだろう?2025/07/13
アメヲトコ
7
2024年9月刊。著者は京都市埋蔵文化財調査センターで発掘調査の最前線にいた人物で、市内における平安期の発掘調査成果を分かりやすく紹介した一冊です。本書の特色は著者自身の作画による推定復元図がカラーで多数掲載されていることで、素人には取っつきづらい発掘調査平面図もこの再現があることで三次元的にイメージできます。緻密に描き込まれた再現図には完成まで数ヶ月を要するものもあったといいますが、多忙な仕事の合間にこれだけの数の再現図を作成した著者の努力には頭が下がるばかりです。2025/03/19
takao
2
ふむ2024/09/20
お抹茶
1
著者は半世紀以上京都で遺跡調査をしてきた。平安京遷都以前の京都盆地は,大小の河川や池沼が存在し,治水対策はなく氾濫原もあった。朱雀大路は約70mの道幅で,両側に柳が植わった極めて広い並木道。1975年頃は平安京跡には史跡指定地はなかったが,調査や公有地化を進めて遺構が遺されている。人口が減少して田畑化が進んだ右京では地中に良好に残る遺跡が多い一方,多くの土地が掘り返されてきた左京では出土遺物は多いものの保存状態は良くない。平安京郊外の寺院や山林寺院跡の調査も多数。2025/01/31
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