出版社内容情報
近世大名の権威の象徴である天守。安土城を築いた織田信長が創始し、日本の伝統文化の根本を覆した革命的な造りは、軍事建築でありながら壮麗な造形で多くの人を魅了し続けている。姫路城をはじめ現存天守の構造と意匠を分析し、その創造性や芸術性、籠城戦での機能、建築的工夫の豊かさを詳説。失われた天守にも触れつつその歴史と魅力に迫る。
内容説明
近世大名の権威の象徴であり、壮麗な造形で多くの人を魅了し続ける天守。姫路城をはじめ現存天守の構造と意匠を分析し、篭城戦での機能や建築的工夫の豊かさを詳説。失われた天守にも触れながらその歴史と魅力に迫る。
目次
第1章 天守の概要
第2章 天守の平面と構造
第3章 天守の意匠と防備
第4章 姫路城天守の構造と意匠
第5章 現存する天守の構造と意匠
第6章 天守の歴史
著者等紹介
三浦正幸[ミウラマサユキ]
1954年、名古屋市に生まれる。現在、広島大学名誉教授・工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
120
斯界の大家である著者が「天守」について記した決定版ともいうべき書物。木造軸組工法の精華である為、構造にも大きくページが割かれており、ややもすれば難解に思えるところも多かった。巻末の天守の歴史を追った章において、維新後破壊されたり放棄された天守の以下に多いことか、また、WW2において焼亡した天守が今に残っていれば、いかに多くのことが解ったか、思わず涙を誘われる。広島城と岡山城、原爆と空襲で失われたのであるが、現存最古級のそれであったものが失われたのだ。城郭を見る目の精度が挙がった読書体験であったことだよ。2023/04/08
パトラッシュ
106
ヨーロッパの城や宮殿も大好きだが、あちらは横に大きく見上げる美しさはほとんどない。一方で日本の城の美は天守にこそ極まる。その天守に絞って概要や建築、構造に意匠、現存天守の詳細なあり様や歴史を解説する。誰かを好きになれば相手のすべてを知りたいように、眺めるだけでなく天守のすべてを知りたい城好きには座右の書となろう。特に天守建築の技術やデザインの発展が、江戸幕府による法度や防備面の実務などが絡んで変化したプロセスが面白い。専門的な内容も多くやや難解だが、多くの写真と図で懇切に説明しており城めぐりのお供に好適。2023/01/06
kumataro33
2
建築史の大家がその長年の知見を踏まえ、天守に絞ってその構造や意匠の詳細、信長以来現代に至るまでの天守の歴史を詳述した一冊。望楼型天守における石垣由来の歪みの巧みな処理、望楼型天守の特徴も備えた層塔型天守の松本城の特異性、狭間や石落とし、太鼓壁や排煙窓などの防御設備の発達過程は特に興味深い。内部の柱構造など専門的で難解な箇所もあるが、図や写真も多く掲載されているので、じっくり読み進めていけばある程度の理解は可能。天守を見学する際の解像度が格段にアップするような気がする。2023/03/05
takao
2
ふむ2022/12/07