出版社内容情報
図書館にある多くの本から、的確な情報を探し出すのは難しいことである。国立国会図書館で人文系レファレンスを長く担当した著者が、日本史初学者に向けて、辞典や年表、古代・中世史料の注釈書などの特徴と便利な活用方法をわかりやすく解説する。有用なデータベース活用法も交えた、学生のレポート作成をはじめ幅広く役立つガイドブック。
内容説明
日本史を初めて学ぶ人に向けて、図書館にある辞典や年表、古代・中世史料の注釈書などの特徴と便利な活用方法をわかりやすく解説。データベース活用法も交えた、学生のレポート作成をはじめ幅広く役立つガイドブック。
目次
第1章 レポートを書くには(ステップ1‐情報を集める;ステップ2‐情報を整理する;レポートを書く)
第2章 日本史の辞典(辞典の種類;日本史辞典;人名辞典;地名辞典;年表)
第3章 データベースの活用法(論文を探すには;史料を検索できるデータベース)
第4章 史料を読み解く(漢和辞典;国語辞典・古語辞典;古文書用語辞典・くずし字辞典;史料の注釈書・現代語訳)
第5章 時代や地域の全体像を知る(通史;地域史)
著者等紹介
浜田久美子[ハマダクミコ]
1972年奈良県に生まれる。2009年法政大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。1995~2018年国立国会図書館司書。現在、大東文化大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chang_ume
14
「辞書」成立をめぐる知識社会学的側面が面白く、そのまま、勉強一歩目のリテラシー向上につながるような一冊です。『国史大辞典』からの派生辞書群「国史チルドレン」の紹介に、辞書成立の文脈を感じたり、あるいは角川・平凡社の『地名辞典』競合の背景に、戦後日本で急速に失われた地名たちへの危機感を読み取ったり。後半の史料データベースの紹介は今の時代、即戦力の項目ですが、その手前には広大で奥深い辞書の海があるということか。全体に、講義初回でガツンと学生に示すような強面の感じもあって、こちらもなんだか恐れ入りました。2020/04/07
軍縮地球市民shinshin
14
う~ん、タイトルと内容に齟齬があるような。内容は、日本史を研究するにあたって便利な辞典、史料集、データベースを細かく解説したもので、ただし思いっきり古代史と中世史に片寄っていますよ!という本。中世史とはいえ、戦国史の『戦国遺文』とか解説に載っていなかったので、古代だけか。図書館活用術ではなく、レファレンスブックや図書館で無料で使えるデータベースの紹介だろう。かなり読者が限定される本。アマチュアの歴史家が図書館をフル活用して、論文はこう書く!辞書はこう使う!という内容ではない。日本史学科の古代史専攻学生向け2020/03/15
🍭
9
図書館本、2020年発行。内容はすごく充実しているけれど、シリーズのためのタイトルにあわせているせいで役立つ層に手をとってもらえなさそう…… 日本史(古代〜中世)を詳しく知りたい人(大学院生レベル)をターゲットにしていると思われる内容で、著者による多くの日本史に関する辞書をまとめたものになっており、本書によって辞書の成り立ちから用法・意義、辞書という辞書の使い方を初めて知れたように思う。今後、インターネット上で閲覧できるデータベースの拡充によって辞典などをどう遺していくかも課題だと感じた。2024/04/09
さとまる
6
レポートの書き方から日本史辞典類・年表・人名地名辞典などなど参考文献になり得るものを形式や特色を説明して紹介。私が学生の頃にこういう本が欲しかったなぁ。2021/12/24
AKa
5
辞典やデータベースなど、「調べ方」に重点を置いた日本史学入門書。それもただ紹介するだけでなく、使い分けるためにそれぞれの性質の違いにも言及している。また、何気に少ない歴史学のレポートの書き方指南もある。なお、著者もはじめに述べている通り、古代中世に偏った内容(近代については「書く」と表明している方がいる)ではあるが、それを加味しても日本史専攻のスタンダードになりそうではある。だが、漢和辞典や日本史辞典、精選版日本国語大辞典にアプリ版があることに触れないのは、精選〜のウェブ版に触れているだけに不思議である。2020/03/08