内容説明
全住民を巻き込んだ沖縄戦で、多くの子どもたちが家族を失い孤児となった。彼らが収容された米軍統治下の孤児院とはどのような施設だったのか。苦しい食料事情、感染症の蔓延、衰弱死など孤児たちが直面した現実をはじめて解明。占領・統治政策の本質と孤児院運営との関係に触れ、沖縄戦研究における空白となっているテーマに鋭く迫る意欲作。
目次
第1章 沖縄戦・戦後占領と孤児院―戦後児童福祉史の空白を埋める
第2章 孤児院前史としてのサイパン孤児院―沖縄戦以前の戦闘経過と占領政策の実験
補章 松本忠徳「自叙傳」の史料的価値を考える
第3章 コザ孤児院と高橋通仁院長の歩み―収容人数八〇〇名説への根拠を問いながら
第4章 田井等孤児院と日本軍「慰安婦」問題―沖縄戦直後の各地の孤児院研究と戦争犠牲者の類型
第5章 石垣救護院の設立と幻の宮古孤児院―沖縄本島以外の孤児院をめぐる動き
著者等紹介
浅井春夫[アサイハルオ]
1951年、京都府に生まれる。1974年、龍谷大学法学部卒業。1976年、日本福祉大学社会福祉学部卒業。1978年、同大学院社会福祉学研究科博士課程前期課程修了。児童養護施設調布学園児童指導員・白梅学園短期大学専任講師を経て、立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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