• ポイントキャンペーン

東アジアの兵器革命―十六世紀中国に渡った日本の鉄砲

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 209,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784642081498
  • NDC分類 559.1
  • Cコード C3022

内容説明

十六世紀末、日本の火縄銃と輪番射撃戦術は中国・朝鮮に衝撃を与えた。日本式鉄砲が広がっていく経過、日本兵捕虜の処遇、軍事力を背景にした明の新秩序確立過程などを解明。兵器革命の実態から「軍拡」の時代を描く。

目次

序論 語られなかった鉄砲伝来
1 中国に渡った日本式鉄砲と日本兵(十六世紀末、日本式鉄砲の明朝への伝播―万暦朝鮮の役から播州楊応龍の乱へ;朝鮮の役における日本兵捕虜―明朝による連行と処置;明朝皇帝に献納された日本兵捕虜)
2 明末における兵器革命(十七世紀初、西南中国における火器の伝播と普及;明末における武官統制と火器技術受容―都督劉〓(てい)の事例を中心に
明末における新式火器の導入と京営)
結語 兵器革命の時代から軍縮の時代へ

著者等紹介

久芳崇[クバタカシ]
1970年、福岡県に生まれる。1993年、福岡教育大学教育学部卒業。2006年、九州大学大学院人文科学府博士課程単位取得退学。現在、西南学院大学・福岡大学・福岡女子大学・久留米大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スカイバニラ

13
16世紀末に豊臣秀吉の朝鮮の役や倭寇によって日本製火縄銃が中国に伝播し、中国(明朝)の火器技術に大きな影響を及ぼしていった過程を、当時の朝鮮・中国の記録から考察した本。興味深かったのは、朝鮮の役で当時の明軍の武将の「日本軍の鳥銃(火縄銃)は高性能なので、これに対抗するにはまず大将軍砲(大型火器)で挑発し、相手に鉄砲を打たせて弾が切れた時に一気に攻撃すべきだ(意訳)」という証言や、日本兵の捕虜を召抱え自軍の兵士とした事など。他にも明朝における新式火器の導入についてなど、珍しい軍事史の本だと思います。2011/01/08

MUNEKAZ

9
朝鮮出兵を通じて日本から明に伝わった火縄銃など、明末における外国製兵器の大陸への伝播を考察した一冊。日本人捕虜が明の武将たちの私兵となり、鉄砲の製造や反乱の鎮圧に活躍する様はなかなか驚き。夷狄の兵器による「衝撃」から地方の軍閥が独自に外国製兵器の獲得に乗り出し、それに中央の王朝が乗っかる形は、清末の混乱期の先駆けにも感じる。また中央のイニシアチブではなく、あくまで軍閥まかせのため、集団で後金に投降するものも現れ、結局明の衰退と女真の強化に繋がったというのも興味深かった。2020/05/28

いとう・しんご

8
読友さんきっかけ。すでに梗概を上手に要約したレヴューがあるのでそちらをご参照くださいませ。とにかく、まったく未知のお話でとても興味深く読みました。2025/05/10

電羊齋

4
朝鮮の役を契機に日本の火縄銃と輪番射撃戦術が朝鮮さらには明に伝播し、鉄砲と日本人捕虜たちが中国西南部での戦い、対女真・モンゴル防備に活用されていく。「軍事革命」のアジアへの波及と浸透が明、朝鮮などの多様な史料により論証されている。2019/12/08

in medio tutissimus ibis.

3
明朝における火器は16C初頭にポルトガルや倭寇から伝来し模倣することで一定の効果を上げたものの、秘密主義と制度更新の不備に依り、世紀末朝鮮の役において日本軍のそれに対抗できないことが判明した。硬直した京営に代わって武将レベルでは捕虜や鹵獲品から技術の吸収が図られたが、軍餉による統制は武将の立場を不安定化し、投降武将が女真族傘下に編入され火器技術を提供してしまうなど王朝滅亡の一因となった。なお、同様に火器を受容した朝鮮は明清両王朝が期待するほどの鉄砲隊を組織した。しかし18C 東アジアは軍縮の時代を迎える。2025/04/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1593338
  • ご注意事項

最近チェックした商品