出版社内容情報
古代史最大の皇位継承戦争=壬申(じんしん)の乱。この争乱の主役、大海人(おおしあま)皇子と?(う)野(の)皇女は、いかなる道を辿(たど)り勝利を収めたのか。大津宮から吉野宮へ、伊賀・伊勢を経て美濃を拠点に、再び大津へ。また、大和・河内の全戦線を追体験。ルートの詳細な地図と豊富な写真をちりばめ、各地に残る壬申の乱伝説も訪ねる。いま、古代の風を感じる史跡と歴史の旅へ。
内容説明
古代史最大の争乱=壬申の乱。大海人皇子と〓(う)野皇女が辿った道を訪ねて、大津宮から吉野宮へ。美濃を拠点に再び大津へ。さらに大和・河内の全戦線を追体験。豊富な地図と写真を収め、古代の風を感じる歴史の旅へ誘う。
目次
大海人の跡をたどって―プロローグ
1 大津宮から吉野へ
2 吉野から不破へ
3 大倭・河内戦線
4 近江路の戦い
5 その他の戦線
6 壬申の乱伝説を訪ねて
壬申の乱を歩こう―エピローグ
著者等紹介
倉本一宏[クラモトカズヒロ]
1958年三重県津市に生まれる。1983年東京大学文学部国史学専修課程卒業。1989年東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程修了。1997年博士(文学、東京大学)。駒沢女子大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫草
12
壬申の乱の季節(!?)なので読みたくなって。壬申の乱は鸕野(後の持統天皇)が我が子草壁に確実に大王位を継承させるために起こしたというのが、倉本先生の説。先生の壬申の乱については同じ吉川弘文館の『壬申の乱』に非常に詳しく論じられています。この本は壬申の乱で「大海人や鸕野、それに将軍や名もない兵士たちがたどったルートを、でき得るかぎり再現」(プロローグより)というもの。大量の地図と自ら撮影の写真と詳しい解説。すべて先生が実際に歩いた(または自動車で走った)というのがすごいです。これを持って歩きに行きます。2023/06/29
遊未
5
やはり鵜野の意志が大きかった模様。歩きたい!行きたい!私も。実際に詳細な地図が掲載されているので、地元、近場の方なら可能でしょう。もちろん全行程は無理だけど、今の奈良県から大阪東南部を経て近江に至る辺り。実際には細部に根回しがされていて、優秀な高市という子どもや部下にも恵まれていたと思います。2022/08/14
はちめ
5
壬申の乱について集中的に調べているのでこのような本が存在すること自体が嬉しい。25000又は50000分の1地図に移動経路がトレースしてあるので、しっかりと眺めればかなり想像力を働かせることができる。実際に現地を踏破するのが理想ではあるが全行程歩くのはかなり厳しいので、このような本の存在は本当にありがたい。☆☆☆☆★2020/06/17
みつき2
3
地図も豊富。伝説までも網羅していて訪ね歩くのにとても良いガイド本。2012/03/03
ひろただでござる
1
この人の書く「壬申の乱」は仮設に無理がないように思えるので一番納得できる。歴史は勝者が作るので後の時代からすると肝心なところが抜けていたり辻褄が合わなくなっていたりするけど、これくらい古いとそこが面白い(のかもしれない)。額田王が天智天皇を偲んで作った「君待つと吾が恋ひ居れば吾が屋戸の簾動かし秋の風吹く」は一千三百年隔てても心に響く。天智、大友、天武亡き後の持統治世、額田王はどうしていたんだろう。2018/06/01
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